Janne Da Arc 最後のシングル
1990年代から活動を開始し、若者を中心に絶大な人気を誇っていたJanne Da Arc。
そんな彼らが2007年の活動休止前最後にリリースしたのが、今回紹介する『HEAVEN』です。
タイトルの直訳は「天国」ですが、この単語が意味するものとは何なのか。
歌詞を読み進めてみると、実は全く異なる2つの解釈ができることに気がつきました。
今回は両方の解釈を通じて、この曲で描かれている一途な恋の気持ちを詳しく解説していきます。
今回紹介する2つの解釈
先ほど述べたように、この楽曲の歌詞は2つの角度から読み解くことができます。
その2つの角度を考えるうえでカギになるのが、タイトルの捉え方です。
まず1つ目の解釈が、タイトルを「死んだ後にいくことのできる世界」と捉えるもの。
そして2つ目の解釈が、大好きな君と2人で過ごす日々を例えるための言葉と捉えるもの。
ここでの解釈の違いが、この先の歌詞が持つ意味を大きく左右するのです。
今回は前者を①、後者を②と番号付けし、歌詞に対してそれぞれの立場から解説をしていきます。
君がいるからこそ…
悲しそうな目ばかりしないで
迎えに行くから 大人しく待ってろよ
焼け付いたアスファルト蹴って
このまま二人で 天国まで行こうか
君がいる時代に 生まれて来れた事が
僕にとっての 生きてる意味があるんだよ
出典: HEAVEN/作詞:yasu 作曲:yasu
早速タイトルでもある「天国」というワードが登場しました。
ではそれぞれの視点から解説していきましょう。
解釈①:僕はもういなくなるけれど
まず1つ目の解釈です。
愛する君への励ましに始まり、2行目では天国をほのめかす表現がされていますね。
冒頭から主人公の命がすでに失われつつあることが示唆されているといえるでしょう。
大好きな君と離れたくない、だから一緒に天国まで行きたいけれど、それは不可能。
悲しいながら、5~6行目では尽きることのない、深い愛情が感じられますね。
解釈②:2人で一緒に
続いて2つ目の解釈ですが、とても明るく楽しそうな雰囲気が伝わってきます。
冒頭は会えない時間を寂しがる君に対し、カッコよく元気づけるセリフが登場。
中盤の「天国」という単語は、2人きりで過ごす楽しい時間、素敵な空間を表しています。
大好きな君との特別な時間を綴っている部分といえるでしょう。
僕は太陽
きっと生まれ変わったって 同じ場所で
きっと君を見つけてあげるよ
太陽になって 君が枯れない様に
すべてを照らしていたい
出典: HEAVEN/作詞:yasu 作曲:yasu
この部分の歌詞では、主に後半2行の解釈が大きく変化します。
そもそも太陽という言葉自体が比喩表現なのは、読んですぐにわかるでしょう。
では一体何を表現しているのかというところが、この部分を読み解くうえで重要な意味を持っています。
解釈①:遠くから見守る光
まず1つ目の解釈ですが、ここでの太陽は「大好な君をいつでも遠くから見守る魂」の意味を持ちます。
聞いたことがあるかもしれませんが、「人は死んだら星になって空から見守る」なんていいますね。
それと同様の感覚で、大好きな君を見守り、やさしく包み込む存在としてこの表現をしているのでしょう。
つまり空から見守る存在、ということで、すでに死んでいるという解釈になるわけです。