スピッツがドラマ主題歌を務めるのは2007年に「めだか」を担当して以来7年ぶり。さらにヒット曲のカバーということで、注目度も高かったことでしょう。
ちなみに、ドラマ挿入歌には、Crystal Kayさんの書き下ろし曲が起用されました。
待望の音源化
「タイム・トラベル」はドラマ主題歌に起用されましたが、カバー曲ということもあってか、初めは音源化されていませんでした。
ドラマは2011年、「おるたな」がリリースされたのは2012年ですから、少しタイムラグがありますね。
初収録曲を収めた「おるたな」で初めて音源化されたということもあって、ファンにとっては待望のアルバムだったのではないでしょうか?
ちなみに「タイム・トラベル」は、2017年にリリースされた『CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection』にも収録されています。
「タイム・トラベル」カバーの経緯は「制作ノート」に・・・?
残念ながら、スピッツがなぜ「タイム・トラベル」をカバーすることになったのか、詳しいことは分かっていません。
しかし、「おるたな」の初回プレス限定仕様版についてくる特典「制作ノート」には、収録曲にまつわるエピソードや、「タイム・トラベル」をカバーした経緯なども書いてあるようです。
他では知ることができない情報が満載のようですね。
気になる歌詞を紹介!
では、「タイム・トラベル」の歌詞を見ていきましょう。どこか意味深で、キレイな言葉が並んでいます。幻想的な雰囲気が特徴的ですね。
街の外れの古い館が君の家
日の暮れる頃 呼び鈴押した
暗い廊下で 君は無言の手招きさ
蕃紅花色の ドアを開けたよ
出典: タイム・トラベル/作詞:松本隆 作曲:原田真二
「君」とは愛しい相手のことでしょうか?街の外れにあり、古い館であるというのが意味深ですね。それも、わざわざ日の暮れる頃に呼び鈴を鳴らすというところ。
まるで秘め事のようでドキドキします。暗い廊下で何も言わず、そっと手招きする彼女はとても妖艶なイメージです。
スフィンクスが眠る 砂漠に君は立ち
下弦の月に 照らされてたよ
北極星の真下に 尖るピラミッド
光の舟を 君は指す
出典: タイム・トラベル/作詞:松本隆 作曲:原田真二
蕃紅花色のドアを開けるとそこには、スフィンクスが眠る砂漠があり、北極星の真下にピラミッドがそびえています。
そして、君が指さす先には光の舟・・・とても幻想的です。扉の向こうは夢の世界、というような感じでしょうか。
時間旅行のツアーはいかが いかがなもの?
クレアパトラの衣装の君が
時間旅行のツアーはいかが いかがなもの?
そうささやいた ああ夢の中 ああ夢の中
出典: タイム・トラベル/作詞:松本隆 作曲:原田真二
ここで「タイム・トラベル」(時間旅行)が出てきますね。「君」はクレオパトラの衣装でたたずみ、とてもキレイなのでしょう。美しく妖艶な姿に惑わされてしまいそうです。
これは現実ではなく、夢の世界での話のようですね。
「ああ夢の中」というのは、夢心地ということだけではなく、実際に夢の世界に迷い込んだ(または恋に溺れている)ことを暗示しているのではないでしょうか。
時間旅行のツアーはいかが いかがなもの?
突然夢がそこで跡切れた
時間旅行のツアーはいかが いかがなもの?
ここは東京君の手の中君の手の中
時間旅行のツアーはいかが・・・
出典: タイム・トラベル/作詞:松本隆 作曲:原田真二
最後のサビでは、夢が突然途切れてしまいます。急に現実に引き戻された切なさと、どこかまだ夢心地が残っているような雰囲気を感じます。
「ここは東京君の手の中」というところに、彼女に魅了され、幸福も幸せも、彼女の意のままにされてしまうような怖さも感じます。
もしかすると、2人は許されざる関係なのかも知れません。
「時間旅行のツアーはいかが?」というフレーズは、明るいというよりはどこか妖艶で、いけない道に誘い込もうとしているようです。
「時間旅行」とは、世の中のしがらみを逃れて愛の世界へ誘う言葉なのかも知れません。
カバーすることで蘇る名曲
正直、スピッツがカバーするまで、オリジナル曲があることを知りませんでした(原田真二さんファンの方ごめんなさい)。
しかし、自分の好きなアーティストがカバーすることで、曲に興味を持ち、そこからオリジナル曲にたどり着くこともあります。
そう考えると、カバーするというのは、その曲を大切にすること、愛することの証なのかも知れませんね。
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