ゴールデンボンバー『今夜も眠れない(病的な意味で)』
インディーズながら、絶大な知名度と人気を誇るビジュアル系エアーバンド、ゴールデンボンバー。
今回ご紹介する『今夜も眠れない(病的な意味で)』は、2011年に発売されました。
CMタイアップ記念として再販された、『女々しくて/眠たくて』のカップリング曲として収録されています。
テーマは「誰もが経験したことのある、あの状況」
この楽曲はタイトル通り、眠れない夜のことを綴っています。
疲れてベッドに入ったはずなのに、なぜかなかなか寝付けない…。
1度くらいはそんな経験があるかもしれません。
そんな時は眠りたいと願えば願うほど、余計に寝付けなくなるものです。
この楽曲の主人公も、「眠りたいのに眠れない!」という辛い状況に置かれています。
では早速、主人公の様子を細かく見ていきましょう。
寝たい身体 vs 脳ミソ
まだまだ序盤 互角のバトル
あー死にたい死にたい死にたいって考えてた5分前
あぁ生きたい生きたい生きたいって思ってる今は
あ゛―うるさいうるさいうるさい黙れ脳ミソ
明日も早いのにまた眠れない
出典: 今夜も眠れない(病的な意味で)/作詞:鬼龍院翔 作曲:鬼龍院翔
思春期の少年少女にありがちな心理状況が、非常に勢いよく表現されています。
夜眠る前、ベッドに入ってからその日1日のことを振り返る人も多いのではないでしょうか。
この楽曲に登場する主人公も、ベッドに入ってから色々なことを考え始めてしまったようです。
ただ1日を振り返るだけならよかったのでしょうが、この主人公はちょっと違うようで…。
自分の人生に想いを馳せている主人公は、相反する2つの感情に振り回されています。
考えている頭は自分自身の意思で動かしているはずなのに、彼は切り離された物のように感じているようです。
こんなに考えて、悩んで、頭の中が乱れているのは、自分の脳ミソが勝手に動いているせいだ。
責任転嫁をしてみても結局眠ることはできず、ずっともがき続けています。
深い思考に溺れ始める
「生きていてもいいの・・・?」
「宇宙の果てはドコ?」
考えて考えて考えて さぁ今日も夜に独り
出典: 今夜も眠れない(病的な意味で)/作詞:鬼龍院翔 作曲:鬼龍院翔
自分の生死について考えていた主人公。その思考はとどまることなく、むしろ広がる一方です。
次は壮大な世界、宇宙のことを考え始めてしまいました。
もうこうなっては、自分の思考を止めることなどできません。
眠りたくてベッドに入ったはずの主人公は、いつの間にか深い深い思考の海に溺れていきました。
必死の抵抗
眠らせて眠らせて 頭の中で暴れないで
眠らせて眠らせて 体は疲れている筈なのに
眠らせて眠らせて 今日の失敗を思い出さないで
眠らせて眠らせて 誰か脳ミソ取っ替えてくれ
出典: 今夜も眠れない(病的な意味で)/作詞:鬼龍院翔 作曲:鬼龍院翔
なんとしても眠りたい主人公が、好き勝手に思考を繰り返す自分の脳ミソと対立している様子が描かれています。
眠りにつこうとする自分の意思とは反して、脳ミソは主人公の中で大暴れ!やりたい放題です。
身体はとても疲労しているのに脳ミソだけが冴えている感覚は、味わったことのある人も多いでしょう。
ここでの主人公はまさにその状態です。だからこそ、こんなにも振り回されているのでしょう。
4行目では自分の脳ミソなのに、他の脳ミソがほしい!と言い出す始末…。
それほどまでに眠りたい!という、主人公の切実な想いが溢れ出ているフレーズです。