恋愛関係は、合意の上に成り立っています。
彼女、彼、どちらかに意思がなくなってしまった時点で、成立しなくなり、「元彼」と「元カノ」として心の奥にしまいこまれます。
人間の最大の才能は「忘れる」ことであると、誰かが言っていました。
失恋という痛手は、時間が経てば必ず癒えます。
反対に言うと、どんなに頑張ってもいつかは忘れてしまうものです。
それは、とても怖いことだと思います。
「元彼氏」の正体は、忘れ去られた過去の自分自身です。
私ママになるなんて嫌だ ただ今はまだ
あの日のままがいいなんて 駄々こねてもだめだね
なら言わなきゃ わがままをそのまま
あれかな 金かな 時間ならいくらでもあったのに
出典: 元彼氏として/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁
女々しさって?
世の中には、失恋ソングが星の数ほど存在します。
恋愛は人間が一番共感しやすいテーマだと思うので、数々のミュージシャンが、恋愛というフィルターを通して自身の感情を表現してきました。
失恋のテーマは多くの場合、後悔や悲しみ、切なさで彩られます。
それが「女々しさ」と取られる場合もあります。
My Hair is Badの「元彼氏として」を聴いた時に、女々しさは不思議と感じませんでした。
こんなにも、どストレートを投げ込んで来ているのにです。
持ってる持ってるよ まだ持ってるよ
想ってる聞いてるよ え?引いてるの?
今は君の彼氏じゃない でもそいつはマジで寒いんじゃない
嫌よ嫌よも好きなんじゃない
元、君の彼氏より
出典: 元彼氏として/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁
かといって、元気を出したり、歩いていこうと言った前向きなメッセージも感じられませんでした。
どちらかというと、いきどおりや怒り、優しさやちょっぴりのおかしさと言った、大きな愛情を感じます。
○○に訴える曲?
My Hair is Badの「元彼氏として」は何に、あるいは誰に訴えているのでしょうか。
体に、心に、My Hair is Badというぐらいなので、毛根に、体中の毛穴に。
「元彼氏として」を聴いた時に思うこの感情の揺らぎは何なのでしょうか。
過去に向けて
「現在」は言うまでもなく、「過去」の積み重ねです。
人は、昨日今日でポコッと生まれたわけではないのです。
けれど、時々わからなくなることがあります。
一年前、あるいは十年前のことを思い出すと、それは本当に存在したのかどうか、わからなくなることがあります。
あんなに好きだった人のことを、忘れて生きていけている自分は、あの時の自分と同じ自分か、わからなくなることがあります。
過去の自分は、当時、今の自分だったはずです。あの時を忘れてしまえるたびに、誰かを置き去りにしたような気持ちになって寂しくなります。
正直、未練もあれば下心もあるのですが、本質は「自己確認」だと思うのです。
忘れないでいること
何だか自分語りのようで、猛烈に恥ずかしくなってきたので、読み返しもせずに入稿しました。
My Hair is Badのボーカルで、作詞作曲を担当する椎木知仁は言いました。
自分の作品に登場する彼や彼女達を、殺したくない、これ以上、かわいそうなことはしたくないと。
私たちは、過去の自分を時間に埋めてしまわずに、たまには笑いかけてあげる方が良いのかもしれません。
皆さんも機会があれば、酔っ払って元カノor彼に連絡し、既読スルーされてみることをおすすめします。
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