恋愛の結末

ありがちな
恋愛のその結末はどれも同じで
そう知らぬ間に二人 別の道を行く

出典: ありがちな恋愛/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦

曲のタイトルにもなっている【ありがちな恋愛】とは何なのでしょうか。

結論からいうとその結末はバッドエンドです。

ただしそれはあくまで恋愛という観点でバッドエンドということ。

ただの喧嘩別れなどではありません。

お互いにより大切なものを見つけて自然と離れていくという結末。

つまりポジティブな理由による別れが【ありがちな恋愛】なのです。

2人は別れることで、より自分の夢や理想へと近づいていくことでしょう。

これが【ありがちな恋愛】の結末です。

愛が全てではない

愛よりも大切な夢を見つけたのなら

出典: ありがちな恋愛/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦

アイドルソングでよくありがちなのが恋愛第一主義のような歌詞

しかし同曲はまったくそのような気配がありません。

むしろ夢のために愛を捨て、生きていく様子を描いています。

つまり愛が全てではないということを示唆しているようです。

懐疑的な日々

自分、そしてその他の意味

空に息を吐く一本の煙突の下で
一体 何を燃やしているのだろうと考える

出典: ありがちな恋愛/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦

何気ない遠くの工場の風景。

そこに見える1本の煙突に思いを馳せるとき、人は一体どんな心境でしょうか。

普段は煙突が何を燃やして何の煙を出しているかなど、気にも留めないでしょう。

それをふと考えてしまうということは、何かの意味を探していると考察できます。

特に自分の路頭に迷っているときなどは、こうした行動をしてしまいがち。

おそらく自分の生きる意味を、煙突に重ね合わせて悩んでいる情景だと考えられます。

いつのまにか大人に

そこにあるものの意味を考えたくなる
こんな理屈っぽくなったきっかけは何だ?

出典: ありがちな恋愛/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦

この歌詞では、何に対しても無性に意味づけをしたくなる様子が描かれています。

何らかの意味があるから、今という結果がある。

そう主人公は確信しているのでしょう。

自分の役目、いわば生きる意義。

人生を歩む上で敷かれたレールは、こうした意義に従って出来ています。

しかし大人になるに従い、それは自分の選択によってどんどん変わっていくものです。

意味を無性に求めてしまうのも、自分の人生を肯定したいからでしょう。

この世の全てをカテゴライズすることによって、安心を得たいのです。

ありがちな別れとは

後悔がつきまとう

ありがちな
サヨナラはそれでよかったと言い聞かせて
何回も"もしも”ばかり振り返るだけさ

出典: ありがちな恋愛/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦

人生は選択の連続です。

1つ選べば、それ以外の選択肢へ進むことは出来ません。

もちろん誰もが、常に最善の道を選ぶつもりで人生を歩んでいきます。

しかし時には苦しい選択も…。

それこそ夢のために愛を捨てた2人に後悔が全くなかったわけではないでしょう。

辛い思いを乗り越えて、お互いが夢に向かって進むことを決意したのです。

やりきれない後悔は、人生においてありふれたものだといえます。