「不自由な心」を2度も繰り返して過去への追慕を強調した後、曲は最終局面を迎えます。
最後の歌詞は乱暴なほど力強いものばかり。1人語りだった主人公が初めて「僕ら」という複数形を使います。
この点から見ても、総まとめに当たる最後の部分は新生ヒトリエの決意表明に他ならないといえるでしょう。
現実に対する憤り
ほらdrilling、白昼に無慈悲なほど
風穴開けて、瞼の裏まで
こんなクソみたいな現実見せられてもまだ尚
出典: curved edge/作詞:シノダ 作曲:シノダ
ラストの部分でまず猛々しく歌い上げられるのは残酷な現実に対するどうしようもない憤りです。
まだまだこれからだったはずの、しかも驚くほど才能に溢れた若者をあっさり奪ってしまった現実の理不尽さ。
どこに向ければ良いか分からない怒りが高まり、溢れていく。 それでもまだ尚、と歌詞は続きます。
すべて受け止めて未来へ
僕ら不健全な瞬間に飢えて飢えて仕方無いのさ
やめられやしないね、もう戻れやしないね
ほら面倒臭いフレーズ
聴神経に突き刺され
出典: curved edge/作詞:シノダ 作曲:シノダ
ラスト4行こそは新生ヒトリエの決意表明の核に当たる部分といえるでしょう。
どうしようもない飢餓感も求めることをやめられないのも、メンバー1人ひとりが生粋のアーティストだからです。
どれほど懐かしんでも戻ることなどできはしない。前に進むしかない。
俺たちはwowakaが遺したものを携えて、けれどまったく新しいものをヒトリエとして生み出していってみせる。
そんな荒っぽい言葉選びの裏側にある真っ直ぐな気持ちが強く胸を打ちます。
最後に
いかがだったでしょうか。今回の記事ではヒトリエの「curved edge」について歌詞の解説をしてきました。
この曲は3ピースバンドとなったヒトリエによる、それでもなおヒトリエであり続けてみせるという意思表明です。
「curved edge」という曲名からも歌詞の言葉選びからもギターフレーズからも、その心意気が感じられます。
かけがえのない存在を失っても立ち上がることを諦めず想像を超える見事なカムバックを果たしたメンバーたち。
ヒトリエはこれからも私たちの聴神経に面倒臭くて魅力的なフレーズを突き刺してきてくれることでしょう。
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