キュウソネコカミの軌跡を辿ろう!
楽曲「冷めない夢」は、ミニアルバム「ハリネズミズム」に収録されています。
歌詞のみならず、MVもまた印象的で強いメッセージ性をはらむもの。
なんと、不採用通知をカメラに見せるところからスタートするのです。
MVにはこれまでの楽曲のモチーフが入っているのもポイントの1つ。
まるでこれまでの活動を振り返るような内容となっています。
この曲は振り返りと同時に、決意を新たにする意味もあるのかもしれません。
いよいよ歌詞解説!
人を羨んでしまう
友達が夢を叶えてく 誰かの野望が果たされる
やりたい事やり続けて生きたいだけだ
出典: 冷めない夢/作詞:ヤマサキセイヤ 作曲:キュウソネコカミ
歌詞は、主人公の友人が夢を実現したところから始まります。
ここで「希望」ではなく「野望」という言葉が使われているのが意味深です。
野望という言葉には、どことなくネガティブなイメージがつきまといます。
これが主人公の心情そのものを暗示しているのです。
夢が叶うというのは、広くポジティブな出来事として受け止められます。
ずっと頑張ってきた努力が報われて、成功を手に入れることなのですから。
しかし主人公は、友人を心のどこかで妬んでいるのでしょうか。
友人のことから我が身を振り返り、自分の決意を再確認しているようです。
それは、主人公自身の生き方。
やりたいことをやることが、主人公にとっての理想の生き方のようです。
元気を装っただけ
自尊心なんか下がってく 元気なふりして迷ってる
他人事栄光スワイプでそっと流した
出典: 冷めない夢/作詞:ヤマサキセイヤ 作曲:キュウソネコカミ
夢を追いかけている最中は、楽しいと同時に辛いものです。
その状況はポジティブとネガティブの両面を含んでいます。
ポジティブに見れば、叶えたい夢があるのは素晴らしいこと。
目標に向かって努力し続けることには、大きな根気や決意、情熱が必要だからです。
反面、ネガティブな見方をすれば、夢はこのように見えます。
頑張っているのに、思い通りにいかないこと。
迷いにとらわれる
ひとたび夢が叶えば、それまでの努力が間違っていなかったと実感できます。
情熱を保ち続けるのが難しいのは、むしろ目標に届くまでの間です。
上手くいかない。
また失敗してしまった。
いつまで努力し続ければ良いんだろう?
一度後ろ向きな思いが湧くと、それに囚われてしまう時期も生まれてしまうのでしょう。
そんな時に、成功した友人の噂を聞けばなおさらです。
主人公は道半ばの自分と、成功した友人を比べて落ち込んでしまっています。
しかし、それは内面での話。
外側では、ネガティブなことを隠して空元気を押し通しているようです。
平気を装ったからといって、気がかりが消えるわけではありません。
一度気づいた迷いは、どんどん膨らんでいきます。
きっかけはスマホ
ひとまずそこから逃げる手段として、主人公は手元のスマートフォンを操作しました。
「スワイプ」の一言から、主人公が友人の近況を知った理由が察せられます。
おそらく、SNS等で友人の投稿を目にしたのでしょう。
SNSは素早い情報交換の場であると同時に、キラキラした雰囲気をまとう環境です。
自分の幸せを発信する時は、たくさんのリアクションがもらえて幸せでしょう。
しかし、自分の軸がぐらついている、落ち込んでいる時に見ると逆効果になりえます。
他人ばかりが成功して、自分は何も上手くいっていない。
そんな風に錯覚してしまいかねないのです。