胸の中に湧き上がる感情
目と目が合うと上手に言えない
足りない言葉が胸を叩くよ
一秒ごとに横顔見上げて
瞳の奥でまた名前を呼んでる
出典: 青い鳥/作詞:安岡優 作曲:北山陽一
出だしから印象的な言い回しですね。
相手に「愛情」や「親しみ」といった何か深い感情を抱いているのでしょうか。
しかし、それを思うように口に出せず、鼓動が高まるばかり。
まるで飲み込んだ言葉が胸の内側から叩き付けるように。
心の中は相手の事でいっぱいなのでしょう。
目線を送ってはやはり言葉にはできず、心の中で名前を呟いているのです。
本当に大好きでたまらないのが伝わってきますね。
かけがえのないもの
通り過ぎる季節の中
僕達が語り合えるなら
何気ない時の欠片さえ
かけがえのない未来さ
出典: 青い鳥/作詞:安岡優 作曲:北山陽一
「青い鳥」にまつわるお話で、幸せは案外すぐそばにあると前述しましたね。
ここではそんな「何気ない身近な幸せ」に焦点を向けているのだと思います。
いつの間にか季節は巡り、無意識に過ぎ去っていく時間もたくさんあるでしょう。
どんな瞬間だってかけがえのないものなのです。
過ぎ去った過去も、未来も。
特別な出来事はない何気ない日常でさえも、幸せが隠れている。
それに気が付くことができたとしたら、生きる意味も変わってくる気がしますね。
ここで全てが終わる訳ではない
いつか「再会」しよう
それは青い鳥
こんなに近く微笑むから
いつか世界中の空
旅をして大人になる
もう―度 めぐり逢えるまで
出典: 青い鳥/作詞:安岡優 作曲:北山陽一
近くで微笑む思いを寄せる相手。
それを「青い鳥」と表現しています。
主人公にとって相手は幸せそのものなのでしょう。
後半では「再会」を連想させる言葉が出てきました。
つまり、2人はこれから別れを経験するということ。
「大人になる」という表現からは、2人がまだ大人ではないことが読み取れます。
この楽曲は学生の視点で綴られているのでしょうか?
学生時代に培った絆は特別ですね。
その関係性は永遠に続く気さえします。
しかし、どうしても「卒業」や「進路」を理由に離れ離れになってしまうもの。
それを悲観するのではなく「旅」だと表現しています。
つまり、またお互いのもとへ帰ってきて「再会しよう」といっているのです。
焦燥感が溢れだす
手を振る背中をそっと見つめた
言葉はなぜに全てを欲しがる
見知らぬ声が聞こえた気がして
振り返れば今日が遠くに逃げてく
出典: 青い鳥/作詞:安岡優 作曲:北山陽一
これは別れの場面でしょうか?
何とも言えない焦燥感が伝わってきます。
明確には表現されていませんが、たくさんの想いがこみ上げてきている印象です。
「離れたくない」
「ずっと一緒にいたい」
そんな引き留めるような言葉が湧き上がっているのかもしれません。
そしてそんな別れすら過去の経験となり、過ぎ去っていってしまいます。
思い出を胸に
出会いが与えてくれたもの
止めどもなく夢を見てた
僕たちは傷つけ合うけど
手に入れた思い出と地図を
握りしめまたゆくのさ
出典: 青い鳥/作詞:安岡優 作曲:北山陽一
「夢」とはどんな意味なのか考えてみましょう。
まずは眠っているときに見る夢。
過去の記憶に似た状況を何度も「夢」の中で再体験してしまうことがあります。
これは心の奥底でその経験について「気がかりだと感じている」から。
何か不完全燃焼な感情が隠されているのです。
2つ目は将来を思い描くという意味の「夢」。
2人の関係性が永遠に続く「夢」を思い描いていたという可能性があります。
いずれにせよ、「これから先も一緒にいたかった」という思いが読み取れるのではないでしょうか。
後半にも着目してみましょう。
2人の出会いで手に入れたものがあります。
1つ目は「思い出」。
一見別れは全てを失ってしまう気分になりますが、胸の中にはいつまでも「思い出」が生き続けています。
そして2つ目の「地図」。
相手との出会いは、将来を選択するうえで少なからず「影響」を与えています。
信頼関係という安心感があってこそ外の世界に冒険だってできるのです。
そのことを「地図を手にして旅に出る」と表現しているのではないでしょうか。