ドラマ「35歳の少女」主題歌
ドラマのテーマに寄り添ったナンバー

「prayer X」で注目を浴び、「白日」で一気にスターダムへと駆け上がったKing Gnu。
彼らが日本テレビ系ドラマ「35歳の少女」主題歌として書き下ろした一曲が「三文小説」です。
ドラマのスタッフとディスカッションを繰り返し、書き上げたこのナンバー。
ドラマのテーマでもあった「過ぎていく時間の中でどう生きるか」。
その問いを美しく包み込むような、印象的なバラードナンバーとなっています。
また、いつも以上に高音域を多用したボーカルにも注目。
切なく美しいファルセットが、まるでオペラのアリアのような抒情性を感じさせます。
そんな「三文小説」を、この記事では歌詞を中心に深く読み解いていきます。
人生の物語に見出したものは何なのでしょうか。
「千両役者」との両A面シングル

また、「三文小説」は「千両役者」との両A面シングルとしてリリースされました。
「NTTドコモ5G」コマーシャルソングとして起用された「千両役者」。
こちらは一転、エネルギッシュでどこか刹那的なロック・ナンバーとなっています。
「三文」と「千両」の言葉の対比も面白いこの2曲。
是非どちらもご一聴いただきたい名曲です。
そのままの君の隣に
世界に取り残された君と
この世界の誰もが
君を忘れ去っても
随分老けたねって
今日も隣で笑うから
出典: 三文小説/作詞:常田大希 作曲:常田大希
眠っている間に20年が過ぎてしまった少女。
世界から忘れ去られてしまったという言葉は、そんなドラマの内容も思い起こさせます。
そして同時に、年を取るということは世界から忘れられることなのでしょう。
仕事を引退したり家にこもりがちになって、次第に世界から忘れられていく。
けれどその「老い」を、僕は否定しません。
老けたねと笑って受け入れ、ありのままの君を愛するのです。
共に歳を重ねて生きる
怯えなくて良いんだよ
そのままの君で良いんだよ
増えた皺の数を隣で数えながら
出典: 三文小説/作詞:常田大希 作曲:常田大希
ここもまた、ドラマの内容をふまえた内容となっています。
10歳の少女から20年眠り続け、35歳になって目覚めたひとりの少女。
自分を巡る状況に怯えることは想像に難くありません。
けれど、そのままの君でいいと僕は語り掛けます。
歳を重ねた証明でもある皺の数。
それを共に数えるのは、共に歳を重ねていこうという思いの表れなのです。
「三文小説」とは
「三文」が意味するもの
僕らの人生が
三文小説だとしても
投げ売る気は無いね
何度でも書き直すよ
出典: 三文小説/作詞:常田大希 作曲:常田大希