これから起こる「良い事」も、その反対の「悪い事」も予想はできないものです。
「悪い事」だと思っていた失敗や挫折が後に成長の糧となり、「良い事」へ昇華した経験はありませんか?
「良い事」も同じことが考えられるでしょう。
「まさかこんなことになるなんて…」
歌詞の3行目や4行目をみれば一見は素敵な言葉が綴られていますね。
しかしその言葉の裏には悔いや未練、自己嫌悪にも近いような感情が混じっています。
真意は…
初めて出逢ったあの夜から
分かっていたはずなのに
"好きにならずにいられたのなら…"
そうつぶやいても
時間(とき)は戻らない
このまま…
出典: 情熱の花/作詞:ATSUSHI 作曲:Jin Oki
曖昧なままで終わるサビの歌詞がこちらでございます。
その最後の「…」に隠された真意を考察してみましょう。
筆者の予想としては、彼の彼女に対する執着心。
報われない愛と心の奥底では分かっていても、そこに真実の愛がなくても、繋がりを保っていたい。
そうすれば、「ひょっとしたら愛が蘇るかもしれない」という淡い期待も抱いているのかもしれません。
3行目のつぶやきは本心ではなく建前、もしくは彼女の気を引くための言葉ではないでしょうか。
「情熱の花」の歌詞を独自解釈!~2番以降~
2人の現状や温度差が把握できた1番をふまえて、2番以降の歌詞も考察していきます。
予感①
"返事をしてよ"
そう急かすのは
他に誰か
心にいるから?
出典: 情熱の花/作詞:ATSUSHI 作曲:Jin Oki
1度嫌な予感を恋人に抱いてしまうと、ありとあらゆる言動が「グレー」に染まってみえます。
ただ単に用事があって急いでいるだけかもしれないのに、この歌詞のような想像が膨らんでいく…。
彼女を愛している、でも悪い方向へ疑って信用しきれていないという矛盾。
連絡を取り合って繋がりを保てていることは嬉しいのに、返事が送るのが辛く、返信が怖い。
彼の葛藤している姿は、情けなくもあり共感もできます。
予感②
飲み干すグラスは
そういつもより
悲しく見える
終わりの予感
出典: 情熱の花/作詞:ATSUSHI 作曲:Jin Oki
人の「あたた」かさや「ぬく」もりを漢字で表すときは、「暖」ではなく「温」が用いられます。
水を意味する「さんずい」が部首である「温」が使われる理由は、人の約7割が水分でできているからでしょう。
グラスを飲み干すということは、人を形成する水分を体内に取り入れるということ。
運動後に水を飲み干すスポーツ少年や、仕事終わりに一気にビールを飲み干す社会人を想像してみてください。
普段であれば、生命力がみなぎるプラスな印象を与えてくれる光景なのかもしれません。
しかし今の彼の精神状態では、「グラスから水分がなくなってしまった」というマイナスな捉え方に…。
グラスを心に置き換えて、「想いが乾ききった」と連想しているのかもしれません。
彼女に関わるありとあらゆるものが、妄想にも近い形で彼を苦しめます。
最後の希望
どんなに想って愛し合っても
決して報われないと
戸惑う鼓動もこのリズムは
そっと咲くように
身をゆだねてしまう
このまま・・・
出典: 情熱の花/作詞:ATSUSHI 作曲:Jin Oki
既に中身を伴わない「空っぽな恋愛」と成り果てているかもしれません。
それでも彼にとってこの状態は、彼女を繋ぎとめておくための最後の希望なのです。
たとえ彼の振る舞いが周囲の人間に滑稽な踊りだと思われていても構わない。
むしろどう思われているかについて考える余裕すらないのでしょうか。
そのひたむきな想いの深さは、底が見えません。