至上の人生

「至上の人生/椎名林檎」はドラマ○○のために書き下ろした楽曲!歌詞&PVからその意味を探る!の画像

ドラマ「○○妻」の主題歌として書き下ろされた今作。

2015年1月にリリースされた、椎名林檎の15作目のシングルです。

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MV

志賀匠監督により制作された今作MV

全編モノクロで撮影されており、林檎さんの白色に近い金髪が鮮やかに映されます。

円形で陣を組んだメンバーとともに、舞い散る紙の中、演奏を続けます。

まるでレクイエムのようにギターロックが響く中、林檎さんの左手の薬指に光る指輪が鈍く輝きます。

どん底まで

そんな「至上の人生」と一続きのMVとして製作されているのが、カップリング曲として収録されている「どん底まで」。

両曲をつなぎ合わせたロングバージョンが、公式YouTubeチャンネルにて公開されていますので、チェックしてみましょう。

同じ構図、同じ質感で、まるでライブのようにスムーズに「どん底まで」の演奏は始まります。

同じくモノクロの映像ながら、こちらはダンサブルなアップチューン。

カラフルなメロディが、まるで祝福するように響きます。

タイトルから想像する真逆の曲調ですが、リードトラックの「至上の人生」もそうでしたし、この裏腹さはおそらく狙ってのこと。

林檎さんらしいひねくれたユーモアで彩られたシングルです。

そしてシーンはループし、また「至上の人生」へと続いていくのです。

歌詞

お願い黙っていて今は
言葉のほうが甘いの本当の何倍も
お願い視線を逸らして
若々しくて痛いの突き刺す純情が

出典: 至上の人生/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

主人公は、おそらく相手の男性の言葉をそっと遮ります。

理由は、「言葉のほうがずっと甘いから」。

つまり、心の本当を見せてほしいのであって、甘ったるい脚色を加えた言葉なんかいらないと、

ある種相手を責めているようなリリックなのです。

そして相手はどうやら年下の男性。

その、欲望を隠さない情熱的な視線は、眩しすぎて直視できないと訴えているのでしょう。

逆らえぬ抗力±0迄
お互いに引き合えば
全てがあって何もないふたり

出典: 至上の人生/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

ふたりは恋によって引き合い、恋人となりました。

しかし、ここで椎名林檎は綴ります。

「全てがあって何もない」と。

出くわせた運命を思うほど
その手の体温が鼓動がともっていくんだ
至上の安らぎ
あなたは生きている ああ、愛している
この静かな瞬間よ止まって
これ以上は決して望んでいない

出典: 至上の人生/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

恋人の胸の中にいるとき、彼女はそれを“至上の時間”だと感じます。

しかし、もしそこが頂点であるとするなら、きっと気持ちは少しずつ減っていくでしょうし、

だからこそ時間が進んでいくことが怖くなります。

これ以上はきっとないから、今この瞬間に時間が止まってほしい。

そんな恋する気持ちは、きっと多くのひとに共通するものではないでしょうか?

お願い支えていて何処か
危なっかしくて恐いの隠した熱情が

出典: 至上の人生/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

至上の時間を長く保つため、思いは出しすぎないように注意するのです。

たとえば嫉妬しすぎたら鬱陶しいんじゃないか、とか、束縛はよくない、とかそんな気持ち。

隠した情熱は、本当はもっと相手のことが好きだと叫びたくて仕方ない気持ちの表れです。