MVの中ではピアノが何度も登場しています。このピアノをMV内で女性が弾いており、彼女がフタを閉めるシーンでMVは終わっているのです。

思うに、この女性がDollつまり人形的な存在から脱却したことをフタを閉めるという自発的な行動で表しているのではないでしょうか。

もしかしたら、彼女が人形的な存在のままなら2人の別れはなかったかもしれません。人形に「離れる」という選択はできないからです。

それを示すかのように、MVの後半では、男性が女性に指輪を渡すプロポーズらしき場面が流れます。

歌詞の考察を踏まえてみると、このプロポーズに見えるシーンは主人公が思いを馳せる「あったかもしれない未来」の情景なのではないでしょうか。

『Dolly』の世界をより深く楽しむために

最初に『Dolly』という曲名は三脚台という意味を通じてカメラ・写真と結びつく可能性を挙げました。

そして、そこからさらに「写真を見せたがっているシチュエーション」を想定しましたが、歌詞を紐解いていった今なら別の解釈も可能です。

すなわち、写真に写った過去を懐古しているという状況です。

また、三脚台という意味のままで考えることもできます。

つまり、カメラがないために過去を写真という形に残すことすらできなかった虚無感が込められているという解釈も可能だということです。

『Dolly』は恋という身近なテーマを抱えつつ、人の心に染みついている孤独感を全体に漂わせています。

しかし、孤独になると人の心はよりかたくなになっていくはずなのに『Dolly』に満たされている空気はとてもやわらかなものです。

それがこの歌の優しさとなって、聴く人の心にじんわりと染み込んでいくのかもしれません。

『Dolly』の世界は幾重にも重なった感情によって織り上げられています。

この世界をより深く楽しむため、構成要素であるひとつひとつの感情を順に紐解いていってはいかがでしょうか。

須田景凪の世界をもっと知りたい!という時に

今回は『Dolly』を紹介しましたが、須田景凪氏は他にも素敵な歌をたくさん生み出しています。

須田景凪氏の作風は幅広く、たとえばスピード感のある歌が好きな人は『シャルル』がおすすめです。

『シャルル』は思わず口ずさんでしまうようなスピード感と物悲しさが見事にマッチした歌になります。

その歌詞もまた奥深く『Dolly』の世界観が好きな人ならフィーリングを感じやすいかもしれません。

『シャルル』の歌詞の意味が気になったときは以下の記事を参考にしてみてください。

メッチャ中毒性ある!?と話題のバルーンの「シャルル」。失恋する複雑な男の気持ちを歌った歌詞を紹介しています。コードとMVも要チェック!収録アルバムの情報もお伝えしますよ。

また歌に愛着がわいて「どんな人が作っているんだろう?」や「ほかにはどんな歌があるんだろう?」と気になってくることもあるでしょう。

須田景凪氏自身のことや、どんな歌があるのかをもっと知りたいという時は次の記事が参考になります。

ニコニコ動画で圧倒的な人気を誇る作り手、バルーン。 そんな彼のオリジナル曲に迫っていきたいと思います。

『Dolly』には物悲しい空気が漂っているけれど、どこか懐かしかったり、暖かかったりします。

これが須田景凪氏の世界観と言っていいでしょう。

今回の紹介を通じて、その世界観の魅力が少しでもお伝えできていればうれしいです。

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