パンクシーンのレジェンドHi-STANDARD
結成から現在に至るまで
Hi-STANDARD(ハイスタンダード、以下ハイスタ)は、日本を代表するパンク・ロックバンドです。
結成は1991年。
難波章浩(ボーカル、ベース)、横山健(ギター、コーラス)、恒岡章(ドラム)の3ピースバンドとなっています。
活動当時の彼らの人気はすさまじいものでした。
パンクロックという一般受けしないジャンル、しかもインディーズレーベルでありながら、1995年に発売された2ndアルバム『GROWING UP』は、海外盤を含めると70万枚以上のセールスを記録しています。
また、1997年から開催されたハイスタ主催のフェス『AIR JAM』は、数多くの伝説が生まれた、日本の音楽史における重大なイベントの1つとなっています。
順風満帆な活動であったものの、2000年に千葉マリンスタジアムにて行われた『AIR JAM 2000』でのライブを最後に活動休止。
長らく休止が続き、ファンも「ハイスタの復活はないだろう」と思い始めました。
しかし、活動休止から約10年後。突如活動を再開します。
東日本大震災をきっかけとして『AIR JAM』が復活。ハイスタとしておよそ10年ぶりのライブとなりました。
そして、2017年にはフルアルバム『THE GIFT』を発売。
全国のパンクスたちが待ちに待った、ハイスタの完全復活です。
国内パンクシーンに多大な影響を与える
ハイスタは、現在の日本国内におけるパンクシーンに多大な影響を与えました。
例えばバンドの編成。
ハイスタのようなベースボーカル、ギター、ドラムという3ピース編成は、現在の日本のパンクシーンの1つの基準となっています。
ライブハウスで演奏しているパンクバンドは、ハイスタの影響からか、大体3ピースでベースボーカルです。
また、曲もそう。
所謂日本のメロコアというのは、すべてハイスタの楽曲が基準になっているように感じます。
実際、国内のメロコアバンドでハイスタを聴いたことがないという人は、おそらくいません。確実にゼロだと言い切れます。
むしろハイスタを聴かないでメロコアをやっていたら、正直殴りたくなってきます。そういう人は多いはず。
正に、日本のパンク・メロコアの基準を作った偉大なバンド。それがハイスタなのです。
「Another Starting Line」はハイスタの復活作!
16年半ぶりのシングル!
「Another Starting Line」は、ハイスタの16年半ぶりのシングルとして2016年10月5日に発売されました。
このシングルは、事前告知一切なしのゲリラCDリリースとなりました。
何げなくCDショップに足を運ぶと、そこにはハイスタの新作が並んでいる。その衝撃は半端じゃありません。
活動休止前にも行われていた手法ではありますが、あの頃とは時代が違います。
現在のSNS社会において、事前告知無しというのはかなり強気な姿勢であるし、それを完全に隠し通したのもすごいです。
ゲリラCDリリースの日は、それに気が付いたファンによってどんどんSNSに拡散され、その日のCDショップは近年まれにみる大盛況ぶりだったそう。
CDが売れない時代に、このような販売方法で話題を掻っ攫うことが出来るのは、おそらくハイスタだけでしょう。
ハイスタの新たなスタート
「Another Starting Line」というタイトルの通り、ハイスタの「新たなスタートライン」となるこの曲。
実際にこのシングルが発売された後、1999年の『MAKING THE ROAD TOUR』以来17年ぶりとなるショートツアー『GOOD JOB! RYAN TOUR 2016』が開催されました。
そして、もちろん『AIR JAM 2016』も、福岡 ヤフオク!ドームにて開催されました。
翌年にはニューアルバム『THE GIFT』が発売され、ライブハウスとアリーナでの公演が予定されている全国ツアー『THE GIFT TOUR』も開催されます。
ハイスタ完全復活の第一歩を踏み出した作品。それが「Another Starting Line」なのです。
歌詞に迫る
ハイスタが戻ってきた!
I'm home again
The old kids are alright
Never thought you'd be back in my life
出典: https://twitter.com/oricon_no1_21st/status/888625791222693888
「家に帰ってきたよ
オールドキッズは良い感じだ
君がまた僕の人生に戻って来るとは思わなかった」
という訳になります。
まさに、ハイスタの再始動の曲と言えますね。
「君がまた僕の人生に戻ってくるとは思わなかった」という歌詞は、ハイスタが復活するとは思わなかった人々の心境そのものです。
Alive again
Brand new day in my eyes
I know you were always on my mind
出典: https://twitter.com/oricon_no1_21st/status/888625791222693888
「生き返ったよ
目の前には新しい一日が広がっている
君はいつも僕の心の中にいたんだ」
という訳になります。
長い時を経て復活したハイスタ。彼らの目の前には新しい時代が広がっていることに間違いありません。
それぞれ別のバンドとして活動はしていましたが、ハイスタとしての彼らが新しい現代にどのような伝説を作り上げていくのか、楽しみでしょうがないです。
最後の歌詞に出てくる「君」は、おそらくハイスタ自身の事を言っているのでしょう。
活動をしていなくても、ハイスタは君の心の中にいたんだよ、ということです。
実際に復活してこれだけ騒がれているということは、休止している間も忘れられることなく、いつまでもファンの心の中に存在し続けたということ。
ハイスタが、どれだけファンから愛されていたバンドであるかが分かりますね。