【さよならの向う側/山口百恵】歌詞を解説！涙は見せたくない…！別れ際に思い出すものとは？！

ここでも、百恵さんはファンに対する感謝を歌い上げます。

激励の言葉、百恵さんを讃える歓声、そして根本にある優しさ。

それらを忘れないで、これからも生き続けるという百恵さんの強い意志もうかがえます。

ここでの「後ろ姿」は「あなた＝ファン」の後ろ姿でしょう。

百恵さんはファンの前から去ります。

それと同じように、ファンも「山口百恵がいた世界」から去らなければなりません。

ファンの心には百恵さんは永遠に残りますが、百恵さんに執着し続けることもできないのです。

百恵さんにも新しい世界はありますが、ファンにも新しい世界、時代が待っている。

「さよなら」という別れを乗り越えるときに初めて、人々は新しい世界に足を踏み入れるのです。

最後に、「さよならのかわりに」と三度続け、この歌を締めくくります。

「さよなら」の際には様々なことを思い出します。

ファンは、いつまでも美しい山口百恵の姿。

そして、百恵さんはステージに向かって声をかけてくれるファンの姿。

それぞれの姿がそれぞれの心の中に映し出されるでしょう。

しかし、百恵さんと「あなた」は背中を向け合って、別々の世界を歩いていきます。

でも、忘れてはいけません。

百恵さんの心の中にはいつまでもファンの声が存在する。

ファンの心の中にも永遠に百恵さんの歌声が存在する。

さよならの向う側には、新しい毎日が続いている。

大切な記憶を胸に、全ての人々はまた明日という新しい日々を生き抜いていくのです。

一般人となった後にファンだった人たちからストーカーまがいの行為をされたとしたらどうだったでしょう。

おそらく彼女は芸能人だったことを後悔したはずです。

あの時芸能人なんか目指さなければよかったと考えたかもしれません。

もし彼女がそんな後悔をしたとしたら、今まで精いっぱいの愛情を注いできたファンにとっては悲しいことです。

引退後の彼女を静かに見守ることはファン側のプライドを保つことに繋がります。

そのことをファン全員が心に刻むためにも「さよならの向う側」は必要な楽曲だったのでしょう。

すい星のごとく登場し、鮮やかに去った山口百恵というスターは、昭和という時代を語る上で外すことはできません。

歌手としてはもちろん、女優としても作家としても傑出した才能を魅せた山口百恵。

次々に新しいスターが現れ消えていっても、変わることなく語り継がれる大スター。

彼女こそ日本を代表する歌姫ディーヴァだと言っても過言ではないでしょう。

そんな彼女を死ぬまで幸せにすることを誓い実践している三浦友和さんの覚悟も相当なものだったはずです。

山口百恵さんの現役時代を知らない世代でも「さよならの向う側」は歌えるという人も少なくありません。

まさに名曲中の名曲といえます。

ここまでファンに向けたメッセージソングとしての「さよならの向う側」を見てきました。

「さよなら」はただの別れのメッセージだけではない。

ただ、世界を終わらせるだけの言葉ではない。

それは新しい世界に繋がる入り口としての言葉でもある。

そして、百恵さんもファンも新たしい世界を生き抜いていくのです。

私は百恵さんが引退したずっと後、この曲に触れました。

百恵さんの全盛期を経験していない私のような世代の人間にも大きな影響を与えるこの曲。

これからも永遠に人々に親しまれ続けていくのでしょう。

この他にも百恵さんの名曲は数多く存在します。

この記事をきっかけに百恵さんの曲にもっと触れたいと思った方は以下のリンクをご参照ください。

百恵さんの「妖艶」のイメージを決定づけた「プレイバック PART2」もおすすめです！

ぜひみなさんも、百恵さんとの新たな出会いをお楽しみください！