今だって 少女時代
口が裂けても言えぬTRIP
透明感 正偽 インフルエンス
勝ち抜いてだから 何になる?

出典: SHINEMAGIC/作詞:大森靖子 作曲:大森靖子

アイドルは、私たちが現実から目を背け夢を見る存在です。

ですがアイドルである彼女たち自身にとっては、アイドルという仕事は夢や憧れではなく現実のもの。

多くの方は耳にしたことはあると思いますが、アイドルという職業は非常に過酷なものです。

私たちが日頃見ているアイドルのキラキラとした輝く姿は、あくまで氷山の一角でしかありません。

ファンの見えない所で彼女たちは表舞台で見せる姿以上に、熾烈な戦いを日々潜り抜けているのです。

アイドル戦国時代ともいわれる今の世の中、多くの人に愛され勝ち残っていけるアイドルは僅か一握り

可愛さ、綺麗さ、歌の上手さ、ダンスの上手さ、アイドルらしい透明感、カリスマ性。

自分にしかない武器を使って、時には他者を蹴落としながらでも勝ち抜かなければなりません。

ですが、アイドルという職業は賞味期限も早いと一般的には言われています。

熾烈なアイドル戦争を勝ち抜いた先にあるもの

それが今後の自分の人生にとって大事なものとは、一概に言えない可能性もあります。

それもまた、アイドルという存在のある意味恐ろしい所なのではないでしょうか。

黙って感じてる時間 話しかけないで殺すよ
余韻ふわふわ続くのが 幸せって限らないよ
ヒリヒリしたくて生きてるってとこあるしね
NIGHT 苦しいな LIGHT 光刺す
SIGHT その場所で FIGHT 抗って
輝くほど 死ねと言われる

出典: SHINEMAGIC/作詞:大森靖子 作曲:大森靖子

映画のエンドロールの時間は、物語の余韻に浸る時間でもあります。

この時間を邪魔されたくない、という方も、特に映画が好きな方の中には一定数いるようですね。

けれど現実の世界で起こった出来事に、ぼんやりと余韻を感じている暇なんてありません。

実際の世界ではどれだけ幸せなことも悲しく苦しいことも、次の瞬間へと地続きになっているのです。

映画の余韻を邪魔されるのとは別の意味で、次の瞬間へと思考を巡らすその瞬間を邪魔されたくない。

激動の日々をがむしゃらに生きる人には、そのような考えの方もきっといる事でしょう。

たった24時間しかない1日、やりたい事もやらなきゃいけない事も多すぎる。

1日2日そんな日があるくらいならまだいいのですが、毎日それが続くと考えた時。

途方もない焦燥感で、きっと毎日があっという間に過ぎていく感覚なのではないでしょうか。

きっと彼女たちZOCというアイドルは、そんな感覚の中日々を必死に生きているのでしょう。

輝けば輝くほど賞賛と共に、批判罵詈雑言も降ってくる。そんな地獄のような日々を。

アイドルは夢で憧れで、辛く苦しい現実

SHINEMAGIC 世間的負けでも
SHINEMAGIC こっちは天使ですし
SHINEMAGIC 魔法意味ないほど
SHINEMAGIC THE GIRL
イッちゃってんだな

出典: SHINEMAGIC/作詞:大森靖子 作曲:大森靖子

アンジュルム・福田花音として、王道のアイドル像を突き進んできた巫まろ

事務所を退所ハロプロの肩書を捨ててまで、世間的には邪道なアイドル・ZOCという道を選びました。

活動を続ける中で様々な大人の事情に巻き込まれ、それでもアイドルを辞めない西井万理奈

どんな事があっても、彼女は自分が多くの人を救う存在である事に強い自負と誇りを持っています。

音楽やアイドルを誰よりも愛し、その分音楽やアイドルに誰よりも傷付けられてきた大森靖子

音楽やアイドルは、夢や魔法なんかじゃないと彼女は以前から語っていました。

自分や他者に深い傷を与えながらも、時には心を守る武器となる。彼女にとってそれはまさに凶器

ZOCというアイドルにとって、アイドルとは偶像であり夢であり憧れでもあり。

そして同時に、どこまでも過酷で苛烈な現実でもあるのです。

ZOCはアイドルであり、アイドルに憧れ続ける少女だ

私が守るのは、私が生きる理由

このトキメキを守らなきゃ 私は少女じゃなくなるの
このトキメキを守らなきゃ なんのため部屋を飛び出した
このトキメキを守らなきゃ たとえ何かを見捨てても
私が私を守らなきゃ 愛する人が邪魔しても

出典: SHINEMAGIC/作詞:大森靖子 作曲:大森靖子

今まで見ていた光の当たるアイドルの姿は、本当に一部分でしかない。

そう知ってしまっても、ZOCはアイドルである事を辞めません。

どれだけ辛い現実としてアイドルという仕事が伸し掛かってきても、その中で苦しい思いをしても。

アイドルという存在が、一度闇を見た彼女たちを救い出してくれたことに変わりはないからです。

アイドルは苦しい、けれどやっぱりアイドルは楽しい。

どんなことがあってもアイドルが彼女たちの全てで、彼女たちの生きる理由なのです。

辛さも苦しみも闇も業も全て携えて、アイドルという道を歩き続ける。

ZOCはこれまでのアイドルがひた隠しにしてきた姿を、全てありのまま私たちに見せてくれます。

その姿こそが、彼女たちが従来のアイドルとは一際違う輝きを放つ、大きな理由なのではないでしょうか。

アイドル・ZOCを愛するファンを守る為に戦う

終わったって何度もときめき時に滅入って
光の方に走って目潰してひたすら閃いた
するとどうだ 私が光だと世界が
錯覚したかのように手を伸ばし始めた
私が光?私が魔法?アホか ただの血と肉の塊
だから一緒に戦える

出典: SHINEMAGIC/作詞:大森靖子 作曲:大森靖子

アイドルに憧れ、アイドルに手を伸ばし、アイドルへと走り続けてきた6人の少女。

それが、ZOCというアイドルの真の姿です。

彼女たちはアイドルでありながら、同時にアイドルに憧れる女の子の気持ちを失いません。

なぜなら彼女たち自身が、ある意味完璧なアイドルではないからです。

アイドルの薄暗い闇や業を見せない、それが従来の完璧なアイドルの姿です。

もちろんそんなアイドルに憧れる人もいることでしょう。

けれどZOCは、そんな人間離れした理想のアイドルにはなりません。否、なれません

ですがだからこそ、彼女たちはアイドルに憧れながら苦しみを抱えるファンと、共に歩めるのです。

ファンに理想として追われるアイドルではなく、肩を並べ現実と戦う戦友のようなアイドルとして。

傷だらけで不格好、だからこそZOCは美しい

それでも、やっぱりこの場所が好き