「world LOST world」。いったい何を失ったのか
UVERworldの「world LOST world」。
2010年発売のアルバム「LAST」内2番目収録曲です。
UVERworldの歌詞には英語が少ないと言われますが、この曲は1/3ほどが英語。
日本語よりも英語のほうが歌詞のニュアンスが伝わりやすいこともありますね。
さて、英語の歌詞にはどんな意味が隠されているのでしょうか?
歌詞全体を深掘りしつつオリジナル解説を試みていきます。
冒頭
甘え
「これが最後の言葉になるだろう...」
そう思えばもっと言葉を大切にできた
何をどうしたって こんな日がいつか訪れたのに
出典: world LOST world/作詞:TAKUYA∞ 作曲:彰・TAKUYA∞
「どうあがいても終わりが訪れるのなら、もっと真摯な気持ちで向き合えばよかった」
後悔の念が感じられる歌詞です。
勢い任せに誰かに気持ちを吐き出してしまったのでしょうか。
もしくは場当たりなセリフを口にしてしまったのかもしれません。
いずれにしてもその行為は対象への甘えなのでしょう。
<この関係は永遠に続く気がする>
そんな甘えの気持ちを持っていた過去の自分。
それを戒める歌詞なのでしょう。
どんな人間関係も、どんな状況も、かならず終わりの時を迎えます。
それがいつまでも続くような気がしていたあの頃…。
それを悔やんでも、今さら過ぎ去った時間や関係は取り戻せません。
人は誰も、その瞬間その瞬間の連続を生きています。
いつか来る別れの日を見越して人間関係を紡ぐ人はそういないでしょう。
しかしTAKUYA∞氏は「そこまで考えて相手に向き合いたい」と考えています。
1番の歌詞を解説
目をそらした
You don't care 絡まって遠くに感じた簡単な結末で
指をくわえてた自分に 烙印を押した
欲で皮が突っ張ったまま 探すものが何なのか
それも分からないから 夜も日も明けない
出典: world LOST world/作詞:TAKUYA∞ 作曲:彰・TAKUYA∞
冒頭を直訳すると「あなたは気にしない」。
つまり「君は僕のことなどどうでもいいのだろう」と決めつけています。
<こじれた関係を遠巻きに眺め、何も対処しなかった>のでしょうか。
たとえば誤解や思い込みですれ違いが生じた関係。
もしくは片思いの相手との関係。
それを対処せず放置した経験を指していると思われます。
自分の都合の良いように言い訳をして、対象から目をそむけた過去。
そのことについて自分を責めている様子です。
つねに対象に真摯であれ
そう揺りかごから墓場までだって 大した時間は無いから
出典: world LOST world/作詞:TAKUYA∞ 作曲:彰・TAKUYA∞
万物はすべて有限です。
もちろん人生だって同じこと。
過ぎ去ればあっという間なのです。
「最期の瞬間に何かを悔やんでも手遅れ。だからこそ目の前の対象に全力で取り組みたい」
そんなふうに読み取れるこの部分の歌詞。
恋愛、友情、仕事、趣味…。
<対象が何であれ、そんな姿勢で生きたかった>
そんなふうに悔やんでいるのかもしれません。
“君”とは誰を指す?
これが君と最後の夜かもしれない
そう思っただけで この一瞬が愛しい
身も世も無い哀しみが 来るのは決まってんだから 今伝えなきゃ
出典: world LOST world/作詞:TAKUYA∞ 作曲:彰・TAKUYA∞