「青とオレンジ」

「青とオレンジ」は2017年7月にリリースされたアルバム「線香花火」に収録されています。

このアルバムがリリースされた当時、井上苑子はまだ現役の高校生。

高校生シンガー井上苑子の初のミニアルバムとなった「線香花火」は、高校生の恋愛を通した喜怒哀楽がテーマです。

思春期ならではの胸キュンな感情が曲にたくさん盛り込まれて人気を集めた作品です。

プロデュースはSUPER BEAVERの柳沢亮太

新曲7曲で構成された初のアルバム「線香花火」は豪華なアーティスト人たちのプロデュースによって制作されました。

SUPER BEAVERの柳沢亮太を始め、soulkidsの柴山慧、 Fed MusicのRIKUといったそうそうたるメンバーが一丸となったアルバムでした。

現役高校生が歌うリアルな恋愛観と、このアルバム「線香花火」の生き生きとした若さがあふれるMVが話題を呼んで、YouTubeでの動画再生回数もなんと400万回を超えるほどの勢い。

このアルバムの中では、タイトル曲となった「線香花火」と「青とオレンジ」がSUPER BEAVERの柳沢亮太によってプロデュースされています。

 

プロデューサー柳沢亮太の影響

井上苑子シンガーソングライターとして、他のアーティストに曲を依頼するのは、このアルバムが初めて。

曲作りや自身の生活にも影響を与えたと言うプロデュースの柳沢亮太。彼女にとって柳沢亮太の存在とは、いったいどんなものだったのでしょうか?

上京した当時は、見るものがすべて目新しくて楽しかったそうですが、しばらく東京の生活にも慣れて、新鮮なものがなくなったら、急にホームシックにかかったと言います。

そんなとき、SUPER BEAVERの曲をよく聴いていたとか。

曲作りはいつもギターでするという井上苑子。曲を作るにあたって最も影響を受けたのは柳沢亮太だったとか。

井上苑子は、柳沢亮太の書く歌詞にいつも感銘を覚えるそうです。

井上が注目する柳沢亮太の歌詞の醍醐味とは?

井上苑子が歌詞の面でもっとも影響を受けたのはやはり、柳沢亮太でした。

最初のコラボレーションでも、楽曲の特に歌詞が素晴らしいと感銘を受けたそうです。

井上苑子は「赤いマフラー」の一節「肌を刺すような風を吹く」を例に挙げて、最初にこのフレーズと最後にもう一度繰り返すことで、曲の芯ができるんだと感心したそうです。

SUPER BEAVERの新曲が出る度に必ず歌詞を細かくチェックするという井上。

そのたびに、「全部に、うわあ、やられたあ!と思いますね」と井上の天真爛漫なキャラクターを覗かせていました。

「青とオレンジ」歌詞紹介

知らない知らない知りたくもないよ
君が今何処にいて誰と笑ってるかなんて
知りたい知りたい知らないことばかり
呟きを見る限り楽しそうにしてるね

出典: 青とオレンジ/作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太

井上苑子の初アルバム「線香花火」のタイトル曲「線香花火」も柳沢亮太のプロデュースでした。

あちらは、歌詞に「長い長い長い」と長いのリフレインが多く使用されています。

この「青とオレンジ」にもその歌詞の特徴は色濃く現れていて、冒頭の「知らない」のフレーズが、まったく真逆の事を言うように、次には「知りたい」と変化しています。

これは曲のタイトル「青とオレンジ」の補色の関係をまさに表しているのです。

全く対照的でありながら、背中合わせなだけの言葉遊びにも似た上手な使い方ですね。

10代の若い恋心が、矛盾させる気持ちと行動の裏腹をよく描いています。

彼のことが気になって仕方がない彼女は、「呟き」=ツイッターを常にチェックしているのですから。

帰り道付き合いの会話に2時間半費やして何があるわけじゃない
寂しくはないのにさ孤独な気持ちもしちゃうな人ゴミの中に紛れるほど

出典: 青とオレンジ/作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太

この歌詞は、まさしく彼女の実体験から生まれたものでしょう。

東京で生活する間、結局つながるのは、地元大阪の時の友達

学校帰りの2時間半を電話でつぶす。

そんなことしても何にも生まれないんだけど。

寂しいわけじゃないのに、人ゴミに紛れると、孤独を感じてします。

大阪の家族や友達にすぐには会えないという現実を急に突きつけられて、自分はこのたくさんの人の中で独りなんだと感じてしまうのです。

君と居たいただそれだけ

一生ものの出会いだなんてそんなこと別に思ってないの
繋ぎあった手もすぐに解けるかもしれないでも
一瞬生まれた愛しさって大切にしたいなって思うから
ただそれだけのことだから
未来がどうとか出会いの意味とか
重要じゃないの君と居たいただそれだけだよ

出典: 青とオレンジ/作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太