阿部真央【18歳の唄】
【○○歳の唄】というタイトルの3作目
2019年にデビュー10周年を迎えたシンガーソングライターの阿部真央。
実は彼女、節目節目に【○○歳の唄】というタイトルの楽曲をリリースしています。
ただ単純にそのタイトルを付けているわけではなく、きちんとその年齢の人に合う歌詞を描いている彼女。
まず最初は1sアルバム「ふりぃ」に収録されている【17歳の唄】から始まります。
次は、2010年にリリースされた【19歳の唄】。
続いて今回ご紹介するアルバム「戦いは終わらない」に収録された【18歳の唄】。
そして10周年を記念してリリースしたアルバム「阿部真央ベスト」に収録された【28歳の唄】の4作品です。
注意したいのは年齢順になっているわけではなく、19歳の後が18歳だということ。
また【18歳の唄】以外は、阿部真央が実際にその年齢の時に制作した楽曲だということです。
さて彼女は「18歳」という年齢を取り出して、どのような歌詞を描くのでしょうか。
18歳の恋愛模様を描く!
大人になることへの不安な心情を描いた【17歳の唄】。
そして【19歳の唄】には、自由を手に入れた自分に対する辟易した心情が描かれていました。
3作目となる【18歳の唄】では、どのような心情が描かれているのでしょうか。
実は最初の2作品と打って変わり、【18歳の唄】はラブソングなのです。
もしかしたら阿部真央が18歳だった時の自分を主人公に投影して恋愛模様を描いているのかもしれません。
一体、18歳の主人公はどのような恋愛をしているのでしょうか。
注目して歌詞をみていきましょう。
「貴方」との関係
早速1番の歌詞から解説していきましょう。
ここでは、今の主人公と恋人である「貴方」の関係が語られています。
声さえも聞くことができない
不意に訪れる 切なさに身悶える夜
貴方の腕と匂い思い出す
繋がらない電話に 壊れてしまいそうな夜
抱きしめてくれた手思い出す
せめて声が聞きたいわ そして願いが叶うなら
出典: 18歳の唄/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
恋人である「貴方」に関することを思い出すだけで切ない気持ちになってしまう主人公。
何故なら、自分がかけた電話にすら「貴方」は応じてくれないからです。
最初から早速、主人公と恋人の関係が良好ではないことが匂わされています。
もしかしたら「貴方」はあたしに冷めてしまっているのかもしれない…。
付き合いたてのような関係に戻ることはできないのかもしれない…。
そんな風に思い詰めては今にもダメになってしまいそうな自分に主人公は怯えているのでしょう。
愛の言葉をかけてくれなくても、恋人の声が聞けるだけでいいという主人公の心情が最後の文には描かれています。
このように恋愛にのめり込んでしまっている様子は18歳という年齢ならでは。
若ければ若いほど、そうなってしまうのも理解できるのではないでしょうか。
本当は会いたい
会いたいわ 会えないわ
この距離がもどかしい
ただ 貴方に触れたいわ
会いたいわ
出典: 18歳の唄/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
「貴方」の声が聞けるだけでいいと願った主人公の本音。
それがここでは溢れ出しています。
本当は「貴方」に直接会いたいという気持ち。
2文目からは、主人公と「貴方」が遠距離恋愛であることがわかります。
本来、恋人であることの醍醐味は大好きな人に躊躇いもなく触れられるということ。
それなのに主人公は好きな時に恋人である「貴方」に触れることも、声を聞くこともできません。
そんな主人公の切なさは計り知れないでしょう。
歌詞がストレートなだけに、その気持ちがよりダイレクトに伝わってきます。
「貴方」に伝えたいこと
次に2番の歌詞について解説していきます。
1番では「貴方」の声が聞けないことや、会えないことを嘆いていた主人公。
ここでは自分の気持ちとは反して、会いたいと思ってくれない「貴方」への不満が爆発しています。