どこへ行くの?

薄れゆく記憶

記憶の君が
声や仕草が
遠のいていくような
そんな気がして
「I’m crazy about you baby」
でも、もう届かない

出典: Breathe Again/作詞:Shota Shimizu 作曲:Shota Shimizu

しかし記憶の中の君は、時の流れとともに少しずつ薄れていきます。

飽きるほど聞いた君の声も、再現できるほど見た君の仕草も、すべて遠い昔のことに感じているのでしょう。

冒頭でも述べた通り、この楽曲の舞台はおそらく8月末くらいの、まさに夏の終わり。

つまり夏に経験した恋からは、そこまで時間も経っていないのです。

にもかかわらず、愛しい君の存在は繋ぎ留めておくことができません。次々に離れていきます。

感情を表現する言葉は使われていませんが、深い悲しみや寂しさが滲み出ていますね。

こんなにも愛しているのに

そして後半部分。

和訳すると「自分はまだ愛しい君に狂っているんだ。」です。

必死に追い続け、そして必死に想い続けた大切な君。

そんな相手に対する想いは消えることなどありません。

むしろまだまだ燃え上がっているのでしょう。だからこそこんな英詞が登場しているのです。

しかし、主人公がどんなに相手を想っていたって、その気持ちが届くことはありません。

完全に消えてしまった、愛しいあの人の存在…。

あの思い出は果たして本物だったのだろうか…。そんな風に疑いの心さえ持ってしまいます。

君がいないと寂しい…

2人ならできることも1人だと…

揺蕩う小さな船でも
君が居れば怖くはない
ひとりぼっちで漕ぐからさ
僅かな波にも怯える

出典: Breathe Again/作詞:Shota Shimizu 作曲:Shota Shimizu

ここは2人で過ごした日々を振り返り、主人公がしみじみと語っている場面です。

ここで例にあげられている「」は、手漕ぎの小さなもの。

船は小さいですから、海に出れば波に煽られ、左右に大きく揺れることもあるでしょう。

その波の力に負けて、船がなかなか前へ進めないことだってあります。

しかし2人で力を合わせて必死に漕げば、そんな荒波だって乗り越えられるのです。

それと同じで、日々過ごしていれば様々な障壁にぶち当たります。

それでも2人がきちんと力を合わせれば、それだってしっかり乗り越えられるはずなのです。

しかしいまの主人公は…?ずっと綴られていたとおり、ひとりぼっちです。

1人になった途端、自信がなくなってしまった主人公。

これまで乗り越えられたような小さな障壁にさえ、孤独感からくる恐怖を感じています。

怯える主人公はその場に立ちすくみ、踏み出すことを躊躇っているようです。

あの影は君の…?

波間の人影
誰かを思い出して
つい、砂をはらう
いつか会う君のため

出典: Breathe Again/作詞:Shota Shimizu 作曲:Shota Shimizu

主人公は大切なあの人と歩いた、思い出の砂浜を歩いているのでしょうか。

日も落ちて人影の少ない波打ち際を、ひとり寂しく歩く姿が思い浮かびます。

斜めから差し込む光が影をのばす浜辺で、主人公は自分以外の人影を見つけたようです。

それはきっと同じく浜辺を歩く誰かのものか、もしくは偶然砂浜に降り立った海鳥のものか…。

違うとわかっていながら心のどこかで君を追い続けている主人公は、つい気になってしまうようです。

影が落ちた場所には何もないのに、必死にそのあたりを見つめてみたり、触れてみたり。

悪く言えば未練がましい行動ですが、それほどまでに愛が深かったのだと言い換えられそうです。

夏の思い出から解放される時!

前を向けそうな主人公

I feeling like in heaven
それは夏の幻
もう一度だけでも
消えた恋と(Breathe again)
君のいる場所へBreathe again

出典: Breathe Again/作詞:Shota Shimizu 作曲:Shota Shimizu