9人組人気アイドルHey! Say! JUMP
メンバー全員が平成生まれ、9人組の大人気グループHey! Say! JUMP。
彼らにとって24枚目となる両A面シングルが、今回ご紹介する『Lucky-Unlucky』です。
知念侑李さん主演ドラマの主題歌
『Lucky-Unlucky』は「頭に来てもアホとは戦うな!」の主題歌に起用されました。
これは長い人生の途中でつまずき、悩んでいるすべての人へ送る応援歌です。
今回は、爽やかに駆け抜けるメロディラインが特徴的なこの楽曲の歌詞に注目しました。
悩んでいる人はぜひ!歌詞にじっくり触れてみてください。
どこかに置いてきたもの
見つめる僕は空っぽ
風に乗って届く世間のニュース 噂も真実も寄り添えば
諦めていた事もう一度 見つめる僕の抜け殻
出典: Lucky-Unlucky/作詞:Kazumi Mitome, MICO# 作曲:Kazumi Mitome
主人公はわたしたちと同じ、平凡な青年です。
世の中に溢れる、たくさんのニュースに目を向けているようです。
その中には心温まるハッピーなニュースもあれば、胸が痛む悲しいニュースだってあります。
主人公は誰から聞いたわけでもない、なんとなく小耳にはさんだニュースについて考えているようです。
それはかつて追いかけていた、主人公の夢に関わる内容だったようで…。
しかし今では何の感情も持っていない主人公。追いかけていた何かを見ている目は、どこか虚ろです。
感情も考えも全てなくして、すっからかんの状態に見えるということでしょう。
満たされない心
置いてきぼりってフィーリングは 悲しみとちょっと違って
涙溢れたりしないEmpty Heart
きっかけを待っているだけの 愚かで情けない本音
もう後がないと覚悟決めたのに
出典: Lucky-Unlucky/作詞:Kazumi Mitome, MICO# 作曲:Kazumi Mitome
主人公は夢を手放したことで、自分だけが取り残されている感覚に陥っているようです。
その感覚は、孤独感・虚無感といった言葉で表現するのが近いでしょう。
ただ厄介なのは、それが楽しいや悲しいといった具体的な感情に比べて表現しづらいということです。
良くも悪くも、表現できる感情は人の心を満たします。
しかし孤独感や虚無感は、心を満たしません。どんなに感じたって、いつまでも空っぽのままです。
主人公もそれに気がついているのでしょう。他の感情とはどこか違うと断言していますね。
マイナスの感情が溜まると涙になって溢れますが、ここではその涙さえ出ないようです。
主人公がそんな感情に支配されている理由は、歌詞3文目で明らかにされています。
決意したはずなのに、踏み出せずにとどまる僕。
固めたはずの覚悟が揺らいでいる自分自身に、もどかしさや苛立ちを募らせています。
なかなか抜け出せない
追い詰められた僕
負のスパイラル抜け出せなくて 余裕という空間削られた
そんな日もあるさなんて言えなくて 逃げ込む狭い幻想
出典: Lucky-Unlucky/作詞:Kazumi Mitome, MICO# 作曲:Kazumi Mitome
生まれてから死ぬまで、常にポジティブな状態でいられる人などいません。
必ず良いことと悪いことが起こりますし、その上下を繰り返しながら進んでいくものなのです。
人はそんなときに自分の心身を守れるよう、自分自身の周囲を盾で防御しています。
その防御壁となるのが、歌詞1文目にある余裕。
常に余裕をもって過ごしていくことが、ネガティブが連続したときに自分自身を守ってくれるのです。
この楽曲の主人公も、まさにそのような状況に陥っていますね。
良いことと悪いことは交互にやってくることがほとんどですが、時には悪いことが続く時だってあります。
そんな状況の中で、主人公を守ってくれる余裕も徐々にすり減っているようです。
削られて弱々しくなった余裕の盾を補強すべく、2文目前半にあるような言葉で自身を鼓舞し始めた主人公。
その甲斐虚しく、前を向けない主人公はどんどん追い込まれていきます。
「この苦しみは今だけ」なんてポジティブな言葉は幻だった、と思い込んでいるに違いありません。