『2億4千万の瞳 -エキゾチック・ジャパン-』は自身50枚目のシングルで、1984年2月25日に発売されました。
この曲、実はCMとのタイアップ。それもJRグループの前身である日本国有鉄道(国鉄)の、最後のキャンペーンとなった「エキゾチック・ジャパン」キャンペーンソングなのです。
おまけにシングルジャケットの写真は写真家の巨匠・篠山紀信の撮影でした。
ディスカバー・ジャパン
国鉄の「エキゾチック・ジャパン」、そもそも同社が個人旅行客を大いに増やすことを目的に1970年から始めたキャンペーン。このキャンペーンから生まれた名曲はほかにも。
たとえば1978年11月の「いい日旅立ち」キャンペーンでは、キャンペーンソング『いい日旅立ち』を山口百恵が歌って大ヒットしたのです。
したがって『2億4千万の瞳』もオリコンでは最高順位で週間7位、年間61位でした。まずまずの成績ですかね。
曲名の由来
『2億4千万の瞳』の曲名ですが、壺井栄の『二十四の瞳』と、この曲がリリースされた1984年当時の日本の総人口が約1億2千万人だったことから、瞳の数はその倍で2億4千万、それが由来なのだそうです。
ホントに日本の総人口ってその人数なの?と普通は疑いますよね。そこで調べてみました。
1984年人口白書によると「昭和41 年には1 億人を超え、現在(昭和58 年10 月)1 億1,948 万人」
とあります。本当に1億2千万人だったのですね!その×2で、2億4千万。ブルゾンちえみwith Bの適当な数字35億と違って根拠がちゃんとありました。
『二十四の瞳』とは
それにしても、壺井栄の小説が歌詞のモチーフになっているとは!でもここにもちゃんと仕掛けがあるのです。
小説の舞台は瀬戸内海べりの一寒村の小学校。昭和のはじめ、そこに赴任したばかりの大石先生と、個性豊かな12人の教え子たちの心温まるヒューマンストーリー。
この舞台装置こそ、国鉄の「エキゾチック・ジャパン」旅にぴったりというわけ。
人気の後押し?
『2億4千万の瞳』といえば、やはり思い出されるのはフジテレビ・関西テレビ系『みなさんのおかげでした』の人気コーナー、「2億4千万のものまねメドレー選手権」!
いたってシンプルな構成のお笑いコーナーなのですが、結構秀逸(しゅういつ)。『2億4千万の瞳』の1コーラス中に、有名人のものまねを次々に組み込んで披露するというもの。
これも人気の後押しをして、さらに若年層への認知度を浸透させたのでしょうね。
そもそもがこの企画自体、「みなおか」の前身番組にあたる『とんねるずのみなさんのおかげです』にヒントが。
人気企画『仮面ノリダー』では木梨憲武扮する「ティディ・ジャパン・郷(ティディジャパンごう)」が同曲の替え歌「二億三百五十万の瞳」を熱唱するというところに起源があるほど深いつながりがあるのです。
その「みなおか」も2018年3月には放送を終了するとか。なんだか寂しい限りです・・・・・・
歌詞のエキゾチックって?
愛し合う瞳が火花を散らすよ 恋人たちを乗せた青い飛行船
抱きしめて男を女をハーフを 生きてるだけじゃ淋しいよ
ひとり密かにつのらせた 想い涙になる夕暮れ
海が色をそっと変えて あふれ出す……今日も
出逢いは億千万の胸騒ぎ まばゆいくらいに
エキゾチック・ジャパン
出逢いは億千万の胸騒ぎ 生命のときめきエキゾチック
エキゾチック・ジャパン ジャパン
出典: 2億4千万の瞳/作詞:売野雅勇 作曲:井上大輔
人は愛が必要。そのために出会うことが大事。男も女もハーフも、出会いがなくては恋愛はできない。
だからこそ、出会いを求めて旅しよう、エキゾチック・ジャパン!という感じでしょうか。
まとめに
『2億4千万の瞳』についてさまざまな情報をお届けしました。いかがでしたか?
国鉄のキャンペーンソングとして最後の楽曲となったのもこの曲でした。旅立ちにふさわしい楽曲なのです。
2017年は、JR東日本発足30年の記念すべき年。そして2018年5月には平成が終わると言われています。
平成での最後の紅白歌合戦となる大みそかに、郷ひろみは『2億4千万の瞳』を歌います。
平成と新しい年への旅立ちをまるで祝福するかのように、「エキゾチック・ジャパン」をシャウトしてくれるに違いありません。
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