アルバム「THE ONE」はUVERworldの新たな始まりを感じさせる作品
2012年11月28日にリリースされたUVERworldの7thアルバム「THE ONE」。
「ONE」という数字は一つになるという意味にも取れますし、始まりを意味する数字でもあります。
そのタイトルの通り、このアルバムは彼らにとって新たな始まりを感じさせる作品となりました。
2007年のデビューからすでに5年経っているこのときに出した作品が何故始まりなのか。
それはこのアルバムの制作過程で自分たちの曲の作り方がようやくわかったとTAKUYA∞が話していたことに繋がります。
つまりは自分たちの制作スタイルが確立されたこのときから、またバンドに新たな流れが生まれることをメンバーは感じていたのでしょう。
どんな制作が行われていたのか
そういう話を聞くと、アルバム「THE ONE」で彼らが一体どんな制作のやり方を行っていたのかが気になってくるところ。
TAKUYA∞曰く「今回のアルバムであった唯一あったテーマは、いい意味で『一貫性を持たせない』ということだった」という。レコーディングでは曲によって楽器の種類を変えるなど、多くのことにチャレンジしたといい、バンド貯金で購入したウッドベースやビンテージのバスドラムなどが使われた楽曲も存在する。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/THE_ONE
アルバムというと通常は作品として一貫性を持たせるもののような気がしますね。
しかしこのアルバムのテーマは「一貫性を持たせない」ことだといいます。
一見奇異なテーマに見えても、これはUVERworldの音楽性をまさに表しているように感じませんか?
彼らのサウンドの魅力はとにかく幅広い要素が込められていること。
そして一貫性を持たせないというのは、裏を返せば枠を取っ払って様々な要素を取り入れていくということです。
制作に際してメンバーは曲によって様々に楽器を使い分け、「こういうサウンドが欲しい」とあらばすぐさま楽器を買いに走ったなんてエピソードもあります。
彼らがここまで貪欲に取り組めたのも、やりたいようにやれる環境があってのこと。
彼らを支えたスタッフにしても、やりたいようにやった作品を楽しみにしているような、一番のファンのような雰囲気が出来上がっていたようです。
「ミクスチャー」という言葉が誰より似合うバンド
案の定アルバム「THE ONE」はバリエーション豊かな素晴らしい内容に仕上がりました。
本来様々なジャンルをミックスすることを表す「ミクスチャー」という言葉。
彼らは日本のロックバンドでこの言葉が一番似合うバンドですが、この話からはその始まりを垣間見ているような感覚にさせられますね。
アカペラとアコースティックが交錯する「此処から」を紹介
今回そんな「THE ONE」の中から紹介する1曲は「此処から」という楽曲。
このアルバムで様々なことに挑戦したという彼らの言葉通り、この曲もまたUVERworldでは他に類を見ない音像を湛えています。
アカペラボーカルグループを彷彿とさせる声の重なりで聴かせるメロ部分に、アコースティック感を前面に押し出したサビ。
終盤ではストリングスが壮大に楽曲を彩ります。
感極まったメロディと歌唱ながらも訴えかけて来るものは柔らかい。
そんな不思議な感覚を覚える1曲に仕上がっています。
昔は歌詞を書くのが苦手だった
そしてなんと言ってもUVERworldの魅力と言えば、歌詞の熱さでしょう。
毎度その生き様が表れたような歌詞で聴く人を魅了してくれるTAKUYA∞。
しかし、最初の頃は歌詞を考えるのが苦手だったなんて話もあるんですよ。
今となっては歌詞を書くのが好きだと語る彼。
彼をそういう風に変えていったのは、バンドのサウンドも然り、活動の中で聴く人に伝えたいことが増えていったということもあるのではないでしょうか。
いよいよ「此処から」の歌詞を独自に解説していきます!
冒頭の英詞は何を表す?
stedfast
honesty
出典: 此処から/作詞:TAKUYA∞ 作曲:UVERworld
この部分を和訳すると「stedfast」は「固まった」という意味。
後に続く「honesty」は「正直」となります。
これはきっと「嘘偽りなく、考えが固まった」のような意味を表しているのではないでしょうか。
一体何が主人公をそう思い至らせたのでしょう。
この先の歌詞にその意味もきっと込められているはずですね。