自分の中の弱さに気づいても、それをグッと押し潰した主人公。
今こそ前に進み強くなれる時なのだと感じているのでしょう。
今、揺らいでしまわないようにしっかりと自分の軸を意識します。
天高く輝いている太陽に触れるためには、左右に揺れていてはダメなのです。
真っ直ぐ立って、茎をピンと伸ばさなければなりません。
太陽が例え小さく見えても、近づけばどんどん大きく見えることでしょう。
僕のまんま走れるように
振り向かない今は
僕には何がある 何ができる
答えを探して
踏み出すのさ
出典: Lily/作詞:PON 作曲:PON
ゆっくり歩いているうちは、横をすり抜けていく他人の姿や視線がどうしても見えてしまいます。
背後の騒がしさが気になって後ろを向くと、自分の努力は消え去り、その上に成り立つ成功で誰かが沸き立っているかもしれません。
自分の心と向き合おうとしても、どうしても「他人」が視界に入ってきてしまうのです。
自分らしく生きよう!と決意したのに、誰かから見た「自分らしさ」に合わせてしまうのもこのせいです。
だったら周囲が見えない速さで、前だけを見て進もうと歌っています。
「誰か」が見えなくなれば誰かのために生きる必要がなくなります。
周囲の視線を感じなくなれば、人知れぬ努力をする必要もないでしょう。
自分が持っている良さも悪さも、一番理解できるのは自分自身。
見栄を張ったり卑下すること無く自分の価値を認めてあげられるのは、他ならぬ自分自身なのです。
何もできずにいる二人の自分
きっとまたいつかなんてのは
聞き飽きた言い飽きたんです
映り込む鏡向こう側
立ち尽くす僕がいるんです
出典: Lily/作詞:PON 作曲:PON
何も考えずに日々を過ごしていると、何だって後回しにしがちではないでしょうか。
思うように事が運ばなかったら「運がなかった」と諦めてしまう。今は必要なかったと誤魔化してしまう。
自分を直視しようとせず、自分が以前よりも数ミリも動いていないことに気づきません。
でも主人公は違います。鏡に映った今の自分をしっかりと見つめました。
そこにいるのは紛れもない自分自身。
別の姿が映るわけでもなく、ただ自分が見えています。
大切なモノ
君にもあるでしょ
わかっているだろ?
出典: Lily/作詞:PON 作曲:PON
鏡に映ったもうひとりの自分に問いかける歌詞です。
自分と、鏡に映った自分を別の存在として認識しているのでしょう。
強くあろうとする自分と、人のために行動して潰れてしまう自分なのかもしれません。
どちらの自分も、目指す場所は同じなのです。
いつでも目を逸らさず見続けたい光
答えを探して
踏み出す未来へ
出典: Lily/作詞:PON 作曲:PON
ここで彼ら(自分と鏡に映った自分)が見つめた小さな光の正体が分かります。
それは「未来」です。
ユリの花のようにゆらゆらと揺れていても、ただ一点そこに見え続けたのは未来だったのですね。
光に目を向けてひたむきに走り続ければ、たどり着くまでの間に本当の自分の姿が見つかるのでしょう。
強がってもいい!試行錯誤の『Lily』
「弱さを見せても良いんだよ」という応援ソングは世の中にあふれています。
強がらずに力を抜いて、弱音を吐けば前に進める。
しかし現実では弱音を吐く相手もいなければ力の抜き方も分からないというケースも多々あります。
『Lily』の歌詞はこれらとは一線を画すものでした。
自分を見失いそうになってもそこで弱さを見せずグッとこらえる。泣きたくなっても我慢する。
自分が思い描く自分になるために我慢したり、強がっても良いのです。
未来が間近に迫ったときに過去の自分に後悔しないために、試行錯誤の「今」が大切なのでしょう。
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