「思い出が強く残っているのだからそれで十分」と強がる主人公
And I remember all those crazy thing you said
You left them running through my head
You're always there, you're everywhere
But right now I wish you were here
出典: Wish You Were Here/作詞:Avril Ramona Lavigne、Martin Karl Sandberg、Johan Karl Schuster 作曲:Avril Ramona Lavigne、Martin Karl Sandberg、Johan Karl Schuster
「あなたが馬鹿なことを言うのも全部覚えているよ
あなたが私の頭の中に残したままにしたから
どこに居たってあなたはそこに居るんだ
それでも今は、あなたがここに居ればいいのにと思ってしまうの」
どうやら二人の関係はすでに終わってしまっているようです。
それでも主人公の頭の中には、いつもくだらないことばかり言っている陽気な彼の面影がしっかりと残っています。
それこそそばに居なくても一緒に居るかのごとく、彼の思い出が染み付いているのです。
彼の顔はまるで目の前に居るかのようにいつでも思い浮かべられる。
まるで一緒に居るみたいなのに、それでも「ここに居ればいいのに」と思ってしまうのは何故なんだと、主人公の切ない問いが歌われています。
思い出が強く残っているのだから、それで事足りるはずだと言わんばかりの主人公はやはり強い女性であろうとしているのですね。
「いつだって思い出せる」ということすらも強がり?
All those crazy things we did
Didn't think about it just went with it
You're always there, you're everywhere
But right now I wish you were here
出典: Wish You Were Here/作詞:Avril Ramona Lavigne、Martin Karl Sandberg、Johan Karl Schuster 作曲:Avril Ramona Lavigne、Martin Karl Sandberg、Johan Karl Schuster
「二人で馬鹿なこともたくさんやった
意識したことはなかったけど、あなたはその思い出と一緒に行ってしまった
どこに居たってあなたはそこに居るんだ
それでも今、あなたがここに居ればいいのにと思ってしまうの」
この部分で印象的なのは、いつだって強く思い出せると言っていたのとは裏腹に「思い出と一緒に行ってしまった」と言っていること。
察するに彼女がまるで一緒に居るかのように思い出せると言っていたことすら、強がりだったということではないでしょうか?
だんだんと彼との思い出が薄れていってしまうのが怖くて、必死で強がっている。
そんな様子が思い浮かんで来ます。
繰り返される言葉が感情の高ぶりを表現
Damn, Damn, Damn,
What I'd do to have you
Here, Here, Here
I wish you were here
Damn, Damn, Damn,
What I'd do to have you
Near, Near, Near
I wish you were here.
出典: Wish You Were Here/作詞:Avril Ramona Lavigne、Martin Karl Sandberg、Johan Karl Schuster 作曲:Avril Ramona Lavigne、Martin Karl Sandberg、Johan Karl Schuster
「もう!どうすればあなたを取り戻せるの?
ここよ!ここにあなたが居てくれればいいのに
もう!どうすればあなたを取り戻せるの?
近くに…もっと近くに
ここにあなたが居てくれればいいのに」
サビ部分の歌詞です。
「Damn,Damn,Damn」と繰り返していることに、言葉では表しがたい感情の高ぶりを感じさせますね。
感情をようやく彼へと向かわせる主人公
No, I don't wanna let go
I just wanna let you know
That I never wanna let go
Let go, oh oh
出典: Wish You Were Here/作詞:Avril Ramona Lavigne、Martin Karl Sandberg、Johan Karl Schuster 作曲:Avril Ramona Lavigne、Martin Karl Sandberg、Johan Karl Schuster
「嫌だ!あなたを手放したくない
今あなたに知ってほしいの
私が決してあなたを手放したくないということを」
最後のサビへ向けて楽曲も盛り上がっていき、いよいよクライマックスという場面ですね。
去って行ってしまった彼に対してストレートに「手放したくない」という言葉が歌われています。
思えばサビ部分でも彼自身にストレートに言っている表現はなく、「ここに居てくれればいいのに」と自分だけに留めている印象でした。
そう思うとこの部分は、ようやく彼に対して自分の感情をさらけ出せたといったところでしょうか。
MVが暗い印象でなかったのは
そう、この曲の秀逸なところは強がっていた主人公の心の殻が段々と剥がれていくように感じられるところ。
MVの中で涙を流しているのに、暗い印象を覚えなかったのはきっと彼女の強がりの性格を表していたのではないでしょうか。
自分は強い女性のはずなのに、何故だか涙が溢れてしまう…そんな心情を思い浮かべると映像の内容もより沁みてくるように感じます。
やはりMV一つを取っても深い意味が込められているのですね!
大切な人との別れが変わるきっかけに
今回はアヴリル・ラヴィーンの「Wish You Were Here」を紹介しました。
強がりな主人公の隠していた感情が、彼が居なくなったことで段々と露呈されていくこの楽曲。
意図的ではないかもしれませんが、大切な人との別れが人が変わるきっかけになるということを表しているようにも感じました。
想いが彼に届けば言うことはありませんが、これを機に主人公はもっと素直になれるのではないでしょうか。
そんなことを感じながら楽しく解釈させていただきました!