まだ現実を受け入れられずにいる主人公
あぁ あなたを愛してたなんて嘘だと言いたい
もう後悔してないけど
選ばなかった道の運命も悪くなかったのかな
出典: 強がりました/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
1行目の気持ちはおそらく思っているだけで、本心ではないと思われます。
自分は傷ついているわけじゃない、という気持ちの表れではないでしょうか。
“あの時の気持ち自体嘘だったから、全然悲しくないし、傷ついてないし!”そんな強がりです。
強がりだからこそ、最後の1行では別れないという選択肢もアリだったかな…。と遠回しにいっているのです。
本当はそんなはずないのですが、悲しみからくる強がりは誰にでも理解できる感情でしょう。
主人公もまた現実を受け入れられずにこうやって自分を慰めるしかないのです。
後悔しても戻れるはずがないのに
先走りすぎた気持ちは当然
あなたを苦しめたことでしょう
二人は完璧に忘れてた
本当の幸せを忘れてた
出典: 強がりました/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
1行目に綴られている“気持ち”というのは、女性なら共感できるかもしれません。
これはつまり自分勝手で一方的な押し付けの感情です。
例えば、そんなこと彼からは何も言われていないのに、「そうなんでしょ!」と決めつけたり。
女性の頭の中であれこれ考えてわーーっとなって彼の気持ちを聞く前に絶対そうだ!と押し付けてしまう。
直感で動くタイプの女性に多くみられる喧嘩の原因のひとつでもありますね。
“先走り”という言葉からこの自分勝手で一方的だったという主人公の反省がうかがえます。
そしてそれを何度も繰り返すことで、きっと彼は苦しんでいたと今になって気が付いたのです。
何度も繰り返されると、ほとんどの男性は嫌気がさしてしまうもの。
こういう些細なことが積もり積もって、別れの原因になったのかもしれませんね。
あんなに仲の良かった2人の関係も徐々に亀裂がはいっていったのでしょう。
だからこそ、4,5行目のように表現しているのです。
確かにあったはずの2人の本当の幸せ。それをいつのまにか見失っていたということになります。
こうなる前にもっとなんとかできればよかったのに…。
そんな悔いの残る感情が痛いほど伝わってきますね。
傷つくって知っていたのに
通り過ぎた過去の記憶に泣かされて
目の前には片付きすぎた部屋
強がりはやっぱり損ね
傷つくこと知ってて言葉を吐いた
出典: 強がりました/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
ここも経験者なら何ともいえない辛い気持ちになります。
特に4行目の意味。なんであの時あんなことを言ってしまったのかーー。
自分でも後悔してもしきれない瞬間を振り返り、ひどく嘆いている様子がわかります。
わざと思ってもいない事を言って相手を困らせたり、自分を追い込んでしまう事って経験があると思います。
恋愛においてはなおさらヒロインを演じるために面倒くさくなりがちです。
これはもしかしたら女性特有かもしれません。
思ってもいないことを言って、欲しい言葉を待っているのです。
けれど、相手はそれを言ってくれません。だから傷つくってわかっていたという表現になるのでしょう。
これぞ複雑な女心!やめればいいのに敢えて傷つくようなことをしてしまうのです。
一種の幸せ恐怖症のような行動ですね。喧嘩の原因を作ってしまうというか、火に油を注ぎがち。
でもこれは決して彼のことが憎くてやるのではないのです。“ただもっと私のことを知って欲しい。構って欲しい。”
そんな裏側に隠れた心理があるのはぜひ多くの男性に知っておいていただきたいですね。
もう一度あなたに会いたい
あぁ あなたを愛してた本当嘘なんかじゃない
もう後悔ばかりの日々
なにもなかったように現れてほしい
出典: 強がりました/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
ここで初めて主人公は自分の素直な気持ちを伝えています。
諦めたのは自分だけど、本気で愛していたと彼にもう一度伝えたいのでしょうか。
彼が出て行ったあの日から後悔をして何度も枕を濡らしているのかもしれません。
しかし、“今更自分から連絡を取るなんてできない”という気持ちも感じます。
だからこそ、最後の1行のように願っているのです。
ここではもう一度彼に会いたいという強い想いが伝わってきます。
無理だとわかっているけど…
あぁ あなたを手放した日から心は荒んで
もう二度とは強がらないから
また私と恋をしてほしい
あぁ あなたを愛してたなんて嘘だと言いたい
もう後悔してないけど
選ばなかった道の運命も悪くなかったの
あぁ あなたを愛してた本当嘘なんかじゃない
もう後悔ばかりの日々
なにもなかったように現れてほしい
出典: 強がりました/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
ここは前述した歌詞と同じ内容ですが、気持ちが違っているのがわかります。
当初、強がりだとしても「後悔なんてしてないし」という表現だったのを覚えていますか?
ここでは素直に自分の行いを悔いて反省している気持ちが伝わってきます。
それほど彼のいない日々は主人公にとって淋しくてつまらない毎日なのでしょう。
心が荒んでしまうくらい抜け殻のようになってしまっているのかもしれません。
できることなら“もう一度やりなおしたい”という切実な願いが綴られています。
6行目も前に出てきた歌詞とほとんど同じではありますが、意味合いが違っています。
前述では「別れないという選択肢もアリだったかな…。」という意味が含まれていました。
しかしここでは、選ばなかったのは“あなた”=彼のことです。
彼がいない人生を選んだ主人公は、彼がいない今日までの日々もそう悪くはなかったといっているのです。
“だからきっとこの先もなんとかやっていける。”
そんなちょっとだけ前を向かなきゃという気持ちの表れではないでしょうか。
彼との幸せだった日々、そして気付かぬふりをしてきたすれ違い、ついに来た別れ。
これらを振り返り自分の言動を後悔してきました。
そして最後の1行がこれまでの気持ちを統括する本当の気持ちです。
“全部なかったことにして、彼に戻ってきてほしい”それが主人公の一番伝えたい気持ちなのでしょう。
それと同時に伝わってくるのは“そんなこと絶対にありえないけどね”という諦めの気持ちです。
これはどこにも綴られていないのですが、なぜかそう感じることができます。
これは考察するに、主人公の後悔が強すぎて戻る事は絶望的だと感じているからではないでしょうか。
いってしまえば、取り返しのつかない程の原因が思い当たるということにもなります。
前述した身勝手な言動がこれに当たるのかもしれません。
本楽曲の「後悔」には、この原因も含まれているのではないでしょうか。
なんともやるせない気持ちになってしまう寂しい失恋物語。
あなたも相手が嫌気を差すほどの言動をしていませんか?
主人公のように後悔しないうちに、相手との幸せについて今一度考えてみるのがよさそうですね。