あいみょんの【好きって言ってよ】に注目!
アルバム『憎まれっ子世に憚る』収録曲
今回ご紹介するあいみょんの楽曲【好きって言ってよ】はアルバム曲のひとつです。
剥き出しの感情をこれでもかというくらい歌にのせて表現することに長けているあいみょん。
彼女の登場により日本音楽(ロック界)には新しい風が吹き荒れたに違いありません。
そんな若き天才シンガーソングライターが2015年にリリースした2ndアルバム『憎まれっ子世に憚る』。
リード曲は“遺書”をコンセプトにしており、『生と死』を意識した楽曲が多く収録されています。
そして今回は本アルバムに収録されている【好きって言ってよ】の歌詞に注目!
道徳的観点や倫理観などをためらうことなく排除し、心の叫びや嘆きを見事に表現している1曲だと思います。
是非楽曲をリピートして聴きながら読み進めてみてくださいね。
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【好きって言ってよ】の歌詞から紐解く主人公の想いとは
彼を奪った「あの子」には罰を
みどりのマルボロを手に どこにゆくの
私の涙を背に どこにゆくの
出典: 好きって言ってよ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
冒頭から切なく悲しい想いをしている主人公がそこにいます。
1行目の「マルボロ」とはたばこの銘柄ですから、彼は成人男性だということがわかります。
そして泣いている主人公をよそに今にも立ち去ろうとしている彼。
彼がどこにいってしまうのか問うていますが、浮気相手の所へ行くのだと彼女は知っているのです。
痛い目を見ることになるわよ
荷物をまとめた午後 彼はいない
浮気相手のあの子 彼を返して
痛い目をみるわきっと
わたしから 彼を取った罰が降りる
出典: 好きって言ってよ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
彼が出て行った後、一人残された彼女の怒りが湧いてくるのがわかりますね。
荷物をまとめているのでこの2人は同棲をしていたのかもしれません。
だとしたら長く付き合っていたとも考えられます。
ずっとこれからも一緒に居られると思っていたのに浮気をされ、挙句の果て捨てられてしまった彼女。
彼はバカ正直に話したのでしょうか。それとも彼女が浮気を暴き修羅場になったのでしょうか。
いずれにしても、彼女を捨てて浮気相手の元へ行ってしまった悲しみにくれているのです。
この恨みが彼女をとんでもない行動に掻き立てるとはきっと彼にも予想できなかったでしょう。
さら2行目の歌詞は彼に対してではなく浮気相手の“あの子”に向けた言葉です。
ここから察するに主人公はあくまでまだ彼のことを愛しているのではないでしょうか。
彼を責める気持ちよりも浮気相手を責める気持ちが勝っているように感じます。
だからこそ最後の2行に繋がるわけですね。これは“あの子”に向けた警告とも取れます。
芽生えた殺意…?
浅草の河童横丁で仕入れた包丁
切れ味は最高だわ、可愛いお皿も買ったんだよ
出典: 好きって言ってよ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
浅草の河童横丁というのはかっぱ橋道具街のことでしょう。
食器や調理器具などの老舗問屋が立ち並ぶ有名どころ。若いあいみょんが知っているのも感心です。
そして彼女はわざわざそこに出向き新しい“包丁”を買ってきました。
これが意味することは一体何でしょうか?少々過激な考察をしてみると殺意が芽生えたとも受け取れます。
といっても実際に犯罪を起こそうというのではなく、殺したいくらいの恨みつらみという意味です。
あいみょんはこのあたりの心情を最大限に表現する能力に長けているといえます。センス抜群ですね。