「マシマロ」は男の妄想を描いた曲!?
「マシマロ」はアルバム『おいしいパスタがあると聞いて』に収録されている曲です。
アルバムリリースと同日の2020年9月9日にはMVがYouTubeで公開されました。
曲調は明るく、リズミカルでポップな可愛らしい曲です。
一度聴いただけでは、少年が冒険に出かける世界を描いているように感じられます。
しかし歌詞に注目すると途端に違った一面が現れるのがこの楽曲の最大の特徴です。
謎めいた歌詞には大人の恋愛を連想させる比喩表現が豊富に含まれていると気付くでしょう。
例えば「マシマロ」には次のようなフレーズがあります。
目の前にあるマシマロの丘
チョコレイトで汚したい
出典: マシマロ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
あいみょんは、推理小説や官能小説から作詞のイメージを受けていると語っています。
官能小説の“言い過ぎない表現”が好きと語る彼女らしく、この楽曲でも直接的な表現は見受けられません。
「マシマロ」にも比喩表現が豊富に含まれているのです。
それらからも官能小説からインスピレーションを受けている証拠と納得できるでしょう。
明るくポップな雰囲気とは裏腹に意味深なフレーズをちりばめた「マシマロ」の歌詞を詳しく見ていきます。
マシマロを求める純粋な少年の心情を表現
マシマロ、丘、チョコレイトが表すもの
この楽曲ははつらつとした躍動感のあるリズムで始まります。
しかし可愛らしい雰囲気に反して、1番では純粋な少年が女性の体を妄想する様子が表現されているのです。
こんな幸せでき過ぎている
むしろ夢であれよと思う
目の前にあるマシマロの丘
チョコレイトで汚したい
出典: マシマロ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
歌い出しでは「幸せ」という言葉が出てきます。
この「幸せ」とは、夢にまで見た女性を目の前にした男の心情であることがわかるでしょう。
「マシマロ」とは白く柔らかい女性の体を意味する比喩表現です。
女性への愛着も込めてマシマロといった可愛らしい表現を使っているのでしょう。
また「丘」という言葉も、男の妄想をオブラートに包んで表しています。
「チョコレイト」は男性の心の中の欲望を表しているといえます。
これらは通常であれば「マシュマロ」「チョコレート」と表現する言葉です。
それをあえて崩しいたずらっぽさがにじみ出るようにしているのでしょう。
自分に自信のない未熟な少年の心情
神様がいたんだな
冴えないこの僕の身体にも
真実はこれからだ
いざゆけ夢の中を!
心地よいリズムに乗って
見たことのない大地を走る 走る
出典: マシマロ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
この歌詞からは、まだ未熟な少年の自分に自信を持てない心情が感じ取れます。
少年が「真実」を探しにいくという意味にもとれる表現です。
ここでの真実が意味しているのは、まだ経験していない夜の体験のことでしょう。
想像を膨らませているだけにも関わらず、とにかく行動してみようという男性のはやる気持ちが感じ取れます。
またこのパートの最後からまず想像できるのは、壮大な土地を颯爽と走っていく様子です。
しかし、ここで表しているのは男性がまだ知らない女性のことだと推察できます。
まだ知らない世界へ突撃していく
妄想の雰囲気が強くなる2番の歌い出し
野暮な考え思い描くよ
もはや夢に近い妄想で
眠れる美女とマシマロの丘
ある程度まで汚したい
出典: マシマロ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
野暮とは「洗練されていない」という意味です
男性が理性を失った気持ちを表しているのでしょう。
眠れる美女とは、パートナーの女性のことを指します。
おとぎ話に出てきそうな言葉をチョイスすることで、官能的とは思えない曲にリードしているのです。
パートナーを大切にしたいと思う愛情と自分の欲望の両方を巧妙にミックスした表現といえます。