色あせない"強さ"

ライブのクライマックスといえばこの曲!

THE YELLOW MONKEY【SUCK OF LIFE】歌詞の意味解説!女狐の涙が示すものとはの画像

1993年リリースの「EXPERIENCE MOVIE(未公開のエクスペリエンス・ムービー)」収録のこの曲。

シングルのA面曲ではありませんが、ベストアルバムにも収録されています。

2017年には新録も行われました。

発表から数十年たっても根強い人気を誇っているのですね。

その理由の一つは、なんといってもライブのクライマックスで披露されるからでしょう

力強いタムの音と共に冒頭の歌が響くと、会場は毎回それまで以上の熱気に包まれます。

ボーカルの吉井和哉さんに合わせて大勢のオーディエンスが手拍子をする様も圧巻です。

難解な歌詞の不思議

思わず体が動いてしまいそうな魅力に溢れる曲。

とはいえ歌詞は、一見しただけでは解釈が難しいような内容です。

少しずつフォーカスを当てながら、この曲が長きにわたって人を惹きつける理由を考察してみましょう

「僕」が愛する「君」とは

「君」の性別は?

ファスナーをおろして 強く強くHOLD ME TIGHT
女はケモノさ 君には必要ない
OH HONEY 僕は君の HONEY 虜だよ
OH HONEY 誰にも渡さない

出典: SUCK OF LIFE/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉

冒頭から艶めかしく歌われる上記のフレーズ。

「僕」が「君」に夢中になっている様子がよくわかりますね。

ここでふと、あれ?と思った方もいるでしょうか。

この曲の語り手ともいうべき「僕」は、一人称から男性と仮定します。

けれど「君」には女は必要ない、と歌っているのです。

「君」が女性だとしたら、わざわざそのようなことを言うでしょうか。

「君」が同性を(または、同性"も")愛する人間である場合を除いて。

男性を虜にする存在

少し先の歌詞を見てみましょう。

君の彼はゲイでおまけにデブ
幸せなんて言葉はない

出典: SUCK OF LIFE/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉

「君」には「彼」、つまり恋人かそれに近しいと思われる男性がいるようです。

そして「彼」は男性を愛する男性。

また、その少し前にはこんなフレーズもあります。

壁に両手をついて MY PLAYBOY

出典: SUCK OF LIFE/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉

「BOY」というワードから、やはり「君」の生物学的な性別は男性であることがわかります。

しかし「君」のお相手は彼氏だけではないようです。

悪女の深情けは無用さ
女狐の涙に用は無い

出典: SUCK OF LIFE/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉

「君」のお相手には(もしかしたら複数の)女性もいるのです。

つまり「君」は、男女の別なく虜にしてしまう強い魅力を持っているのでしょう。

「君」の装いは…

その赤いキッスをたれながし 凍える夜に

出典: SUCK OF LIFE/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉