川村美紀子さんというアーティストが「へびの心臓」という公演を行っています。
このタイトルが意味することは孤独感でした。
ウミヘビ座の心臓に位置するアルファルドという星があります。
周囲の星の光は弱々しいのに比べアルファルドのみ光り輝いています。
それがとても悲しそうということで付けたタイトルが「へびの心臓」でした。
DAOKOがこの公演を見ているかは不明です。
しかし「蛇の心臓」は歌詞・サウンドともに孤独感が絡みついています。
子どもたちの喧嘩を見ていた
蛇は手足がないから
心臓もないと そう言っていた
手に入りそうで 入らない
感触 巻きつく
思い出して
眠くなってきた
灰の空 灰の空
合言葉
いつになったら私は大人になれるのかな
ハイネケン色をした廊下で
愛する人たちからもらった花束
少年よ それを見つけなさい
出典: 蛇の心臓/作詞:DAOKO,Paranel 作曲:DAOKO,Paranel
蛇は自分には手足がないから心臓もないと言い放ちます。
しかし語り手は蛇の心臓の力により弱い自分を捨て生まれ変わりを望みます。
少年に帰ることで誰も知らない暗闇の答えを見つけ出せると信じているのでしょう。
一方で早く大人になりたがるというとても難解な歌詞が軽快なラップに乗ります。
『蛇の心臓』は実はカバー曲
「蛇の心臓」は実は当時のレーベルメイトであるParanelのカバー曲なのです。
しかし歌詞の内容は大きく改変されています。
Paranelの歌は希望を感じさせるのに対しDAOKOからは悲壮感を感じるのです。
原曲も素晴らしいので是非聞き比べてみてください。
第7位『もしも僕らがGAMEの主役で』
J-POPを背負う覚悟を決めた曲
もしも僕らがGAMEの主役で
もしも僕らが世界変えれたら
いつも僕らは悲しみの中で
藻掻く 藻掻く
ゆうしゃ SUPER HUMAN
出典: もしも僕らがGAMEの主役で/作詞:DAOKO 作曲:小島英也,DAOKO
サウンドの変化についてはここではあえて触れません。
DAOKOのここまでポジティブに振り切った歌詞は従来のファンを驚かせました。
「自分に自信がなかった」と言っていた彼女の内面が明らかに変化したのです。
ここで彼女は僕らが主役になることを望んでいます。
過去も全て受け入れたDAOKO
平成生まれ INTERNET育ち
死にたい奴は大体友達
出会ったHOMEは
バーチャルソサエティー
安心安全 娯楽バラエティー
現代社会の産物
脳内ワンクリックで
どこまでも行ける
街へ繰りだそう
何か在るだろう
人とコミュニケート 宝箱
想像できたか こんな世界
描いたものが 現実に成る
願いも祈りも道を照らす
出典: もしも僕らがGAMEの主役で/作詞:DAOKO 作曲:小島英也,DAOKO
楽曲中唯一のラップパートでDAOKOは過去を受け入れているのがわかります。
その上で「描いたものが現実になる」と歌います。
「平成生まれインターネット育ち、死にたい奴は大体友達」。
冒頭のドラゴンアッシュの代表曲でのZeebraのパートのオマージュが見事です。
DAOKOはこの曲で全てを受け入れた上で音楽で主役になる宣言をしています。
その後のDAOKOの躍進は皆さまご存知の通りですね。