ゾンビから逃げる
there's no escape no escape
出典: No Escape/作詞:Masato 作曲:Y.K.C、Masato
”escape”は「逃走、脱走」などと翻訳されます。
しかし、逃げる対象は悪いものや人、恐怖などです。
よって、現実逃避レベルの「逃走」ではありません。
なんとしても逃げないと自分の命が危ういぐらいのレベルです。
または、決死の逃走などを指します。
このフレーズは、タメを作って歌われています。
それぐらいバイオハザードは「逃走」をテーマにした作品なのです。
みなさんも百人のゾンビが一斉に襲ってきたら、間違いなく逃げるでしょう。
サビがポイント
英語でも繰り返しを使う
running and running for so many days
出典: No Escape/作詞:Masato 作曲:Y.K.C、Masato
たいていの曲はサビが重要ですが、coldrainの「No Escape」も同じです。
”running(走って)”を二回繰り返しています。
期末試験前の先生も重要なところは強調します。
「ここテストに出るよー」
というニュアンスです。
日本語でも楽しいイベントに誘われると
「行くー、行くー!」
と同じ単語を二回繰り返しますね。
それと同じです。
バイオハザードは攻撃というより「逃走」がテーマです。
「逃走」するために敵を食い止めるのです。
そこにロケットランチャーや火炎放射器が登場します。
さらに"many(たくさん)"だけでなく、”so(とても)”がついています。
何日も何日も(days)逃走を続けている様子を歌っているのです。
英語の韻
J-POPとの共通項
useless excuses have got me nowhere
出典: No Escape/作詞:Masato 作曲:Y.K.C、Masato
上の歌詞の”useless”と”excuses”に着目してみましょう。
”useless”の”less”と”excuses”の”ses”が似た発音です。
J-POPと同じように英語の歌詞にも韻を踏む文化があります。
ミュージシャンは音と友達の職業です。
語感のいいフレーズに国境はありません。
音楽で韻を踏むのは世界共通の仕組みなのです。
外国語の曲でも音楽をエンジョイできるのはリズムがいいからです。
どこまで逃げるのか?
地の果てまで逃げる
running and running till I hit the edge
出典: No Escape/作詞:Masato 作曲:Y.K.C、Masato
まずは”edge”からです。
"edge"の”d”は発音しません。
サイレントといってアルファベットでは避けられない問題です。
全部で二十七文字しかないのですから。
日本語の漢字は常用漢字だけでも二千字以上あります。
"edge"の意味は「へり」や「端っこ」という意味です。
「テーブルの”端”」や「波打ち”際”」などに使います。
日本刀の研いである”刃”の部分も"edge"です。
この歌詞でいう"edge"は地の果てに近いニュアンスです。
その昔、ポルトガルのロカ岬の向こうの大海は崖になっていると信じられていました。
そんな西洋の思想を思い浮かべるといいかもしれません。
もうこれ以上、逃げきれない”端(edge)”まで逃げようという信念が伺えます。
それぐらい恐怖に駆り立てられている状況なのです。
とにかく逃げようと。