凛として時雨とは違うTK
ソロとしての独自の世界を紡ぎ出す異端児
日本のロックバンドとして、高速ロックや男女による高音ツインボーカルなど個性的なスタイルと独自の音楽性で若者を中心に人気の高い凛として時雨。
ロックバンドといえば、英語で名前を付けるところが多い中、この名前も印象的ですよね。
この名前を考えたのも、メインボーカル&ギター、そして楽曲の全ての作成を担当するTKなんです。
「凛」という言葉のもつ冷たさが自身の音楽性に似ていたこと、そしてその時々に作る楽曲のテイストが変化していく様が降ったりやんだりする「時雨」に似ているということで名づけられたそうですよ!
TKが2011年からスタートさせたソロ活動の時に使用される名義が「TK from 凛として時雨」です。バンドとは違っていてもバンドを背負っている覚悟が感じられますよね。
本人も自覚しているように、TKの楽曲はクールな音楽が多いんです。そして、なんといってもドラマチック!!!
楽曲全てが同じトーンではなく、Aメロからサビにかけて変動していくその緩急も注目されています。
実は、音楽を作るときにはかなりな憑依型だそうで、作っている間の記憶はほとんどないんだとか。
しかし、それだからこそ狙って作ろうというのではなく、純粋に音楽と向き合っているメロディーが出来上がり、そして私たちの心をわしづかみにするのかもしれませんね。
TK from 凛として時雨「Secret Sensation」
2016年3月2日にリリースされた2ndminiアルバム
今回ご紹介する「Secret Sensation」は、ソロ活動としては1年半ぶりくらいにリリースされたminiアルバムの表題曲となる楽曲です。
凛として時雨のミニアルバム「es or s」の時に、ベルリンでレコーディングをしたのですが、今回も独り海外へ渡りハンザスタジオでレコーディングされました。
好みにアルバムに収録されているのは、5曲あり、そのうちの4曲が新作となっています。
リリースされたのは、通常盤と初回限定盤。初回限定盤には、「Secret Sensation」と「like there is tomorrow」のMVが収録されたDVDがついてきます。
1stソロシングルをリリースした時は、海外に行ったときに撮りためていた写真などがついたフォトブックもつけ、TKの脳内を垣間見れるような静寂なテイストになっていました。
今回は、どの曲を切り取っても日本にはない音で奏でられた、空気感が詰め込まれています。
「Secret Sensation」は、中でもクラブサウンドを意識的に取り入れられた楽曲で、サビへの解放感が半端なく気持ちがいいんです。
TKの囁くような声も、消え入る叫び声のような高音も心に響きます。
個人的なおすすめは「Secret Sensation」と2曲目に収録されている「subliminal」で、エモい感じがたまりません。
1. subliminal
2. ear+f
3. Secret Sensation
4. like there is tomorrow
5. white silence 〔at Billboard Live OSAKA 2015.7.20〕
出典: https://www.amazon.co.jp/Secret-Sensation-初回生産限定盤-DVD付-凛として時雨/dp/B019CONOYI
「Secret Sensation」のPV
まるで星空のようなライトが印象的なPV
もう、音の入り方からして「あっ」と言わせる魅力がありますよね。
そして、画面に映し出される星球たちが幻想的な雰囲気を醸し出しています。
そこにあのささやきボイスが重なり、もう画面に食いついてしまいます(笑)
「Secret Sensation」の歌詞に注目
誰にも知られていない特別なダンスフロア
誰にも見えないダンスフロア
鳴り響くのは無音のDJ
かすかに漏れ出した無色のレーザー
もしも見えたならここにおいで
出典: Secret Sensation/作詞:TK 作曲:TK
光の粒が乱舞して 静けさを切り裂いて逃避する
誰にも言えない秘密も傷に沿って針を落としてごらん
叫び出したDiscord Secret Sensation
出典: Secret Sensation/作詞:TK 作曲:TK
TKは歌詞にその楽曲を作っている時の記憶はほとんどないと答えているように、歌詞に対しても自分でどういうつもりで書いたのかわからなくなる時があるそうです。
なので、読み解くのは難しいかもしれませんが言葉から溢れる印象などがから推測したいと思います。
クラブサウンドを意識しているこの楽曲は、歌詞にもクラブ的表現が入っています。
”ダンスフロア””DJ”などもそうですが、”光の粒”はミラーボールの光にも受け取ることが出来ます。
しかし、このクラブのような場所でも、違和感を感じるのは全く似つかわしくない言葉たちでイメージされる世界です。
大勢の人間がいるはずのクラブで、自分一人しかいない。
DJがいるのに、音楽は何にも聞こえてこない。無色透明のレーザー。
そこは、同じ世界であって全く違う世界への入り口のような空間のようです。
それは、みんなと一緒に居るはずなのに孤独を感じる時と同じような、周囲の人間との感覚の不一致で感じる”違和感”を表現しているのではないでしょうか。
そういった”違和感”という感覚が、「Secret Sensation」なのではないかと思います。
答え探しの迷宮に答えは無いから ここにおいで
暗闇だけが魅せる光があるから
Secret Disco Secret Discord
秘密のSensation
出典: Secret Sensation/作詞:TK 作曲:TK