ユニコーン【UC100V】アルバム収録曲を徹底解説☆ユニコーン100周年！？「働き方改楽」ってなに？

ユニコーンが2019年で100周年？！ これはいったい何のジョークでしょう。

2019年は「川西幸一が60歳（還暦）」「現リーダー・ABEDON加入から30年」「ユニコーン再始動10周年」

これらの数字をすべて合算いたします。

60+30+10=100

以上の計算式から導き出された答えが「ユニコーン100周年」。

強引と感じるか大人の粋な遊び心と捉えるかは皆さんの自由です。

とにかくユニコーンは2019年、この100周年を祝うアルバムを届けてくれました。

「UC100V」

前作「半世紀 No.5」からおよそ2年ぶりのアルバム発表になります。

今作もユニコーンらしいパワー・ポップ全開です。

また各曲が個性的でヴァラエティに富んだ作風になっております。

「この曲いいな」と思ったら、その次の曲も素敵だった。

そんな感じでどこを聴いても楽しめるアルバムに仕上がっています。

メンバーは皆さん、もう50,60歳代。

若く魅せることに懸命になるような真似は一切しないのに新鮮なサウンドを届けてくれました。

この世代の音楽家の底力は素晴らしいです。

1曲ずつ丁寧に聴いていきましょう。

「10Nuts」

ABEDONによる作詞作曲です。

アルバムのイントロダクション的な存在の曲です。

ジミ・ヘンドリックスばりのファズ・ギターのリフが素晴らしくかっこいい。

アルバムの幕開けに相応しい勢いのある曲。

歌詞に重きを置く曲ではないです。

その分、ハード・ロックがシンプルだった時代の香りがします。

ユニコーンは熟達した音楽家の集まりですから演奏力も鉄板です。

わずか1分32秒。

おそらくこの3倍位の長さでも楽しめたでしょう。

ご覧のような歌詞です。

歌詞だけ眺めているとファンク・ミュージックのような趣。

引用した部分以降も「カモン」と叫び続けます。

ちなみに叫ばれた「カモン」の数は総計33回です。

「ZERO」

ABEDONによる作詞作曲です。

この2曲目の「ZERO」からアルバム本編の始まりという趣です。

YouTubeにMVのショート・ヴァージョンがアップされていますのでぜひご覧ください。

演奏風景を中心とした比較的にシンプルなMVです。

映像でユニコーンのメンバーを観ると改めて風格・貫禄があります。

MVのコンセプトは発光するということです。

「光」に関しては歌詞に手がかりが隠されています。

ユニコーンらしいパワー・ポップ。

もしくはユニコーンのサウンドの王道というイメージの曲調です。

ABEDONと奥田民生、EBIによるボーカル。

エッジが立ったエレキ・ギターの歪み。

ルートを重厚になぞるベース。

雷のようなバス・ドラムと軽快なスネア・ドラムのロール。

浮遊するようなキーボードのサウンド。

聴きたかったユニコーンがここにあるという感じです。

MVのヒントになっている歌い出しです。

視覚効果を使い演奏する各メンバーを発光させる演出はこのラインが鍵になっています。

この歌い出しから感じられるように歌詞のテーマは地球的で壮大です。

もう少し見ていきましょう。

ナンセンスな言葉の「ゆるさ」はユニコーンに固有な表現です。

一方で大人のロマンみたいな雄大さと懐の深さを感じます。

大人でないと書けない歌詞であるし「未来」を待望する若さも共存していて感動的です。

エバーグリーンな曲調と非常にマッチしています。