ユニコーン
1980年代末から1990年代のバンドブームを牽引した広島出身のバンド。
奥田民生らによるロックバンドで、ユーモアを効かせた歌詞と独特のサウンドが人気でした。
1993年5月に発表されたアルバム『SPRINGMAN』からのリードシングル「すばらしい日々」はバンドの解散時に作られた楽曲として話題になりました。
当時はこの歌がどんな意味のものかわからない部分がありました。
でも時間が過ぎた今、わかることがあります。
ユニコーン「すばらしい日々」をYouTubeで聴く
「すばらしい日々」の歌詞を読む
僕らは離ればなれ たまに会っても話題がない
いっしょにいたいけれど とにかく時間がたりない
人がいないとこに行こう 休みがとれたら
出典: https://twitter.com/whoishtml/status/851048806535778305
この"僕らは離れ離れ"という部分はユニコーンの解散についての自己言及でもあると思います。
でもそういった背景がありながら、慌ただしく働く多くの人の心情を歌っていたとも考えられます。
忙しく働いていて、時間がない。 休もうと思っても休めない。
この時代はCMなどで"24時間戦えますか?"なんてとにかく休まずに働くことが推奨されていました。
バブル崩壊の時期ですが、サラリーマンはまだ戦う戦士だったのです。
その当時は、休みたいとか、友人に会いたいとか、自分の本音は言うことができなかったでしょう。
とにかく上司のお酒に付き合い、一緒に歌って、一緒に働き、栄養ドリンクを飲んで、休みも仕事の関係でゴルフというような"滅私奉公"の時代でした。
いつの間にか僕らも 若いつもりが年をとった
暗い話にばかり やたらくわしくなったもんだ
それぞれ二人忙しく 汗かいて
出典: https://twitter.com/tsumugubot/status/941091206045474816
でもそういう"働く"日々を過ごしている間に、どんどん若さというものは失われていきます。
そしてここで語られる暗い話とは"バブルの崩壊"のことだったのかもしれません。
もちろん働きすぎてストレスにまみれていると、ポジティヴな思考が奪われていきます。
だから暗い話ばかりになってしまうという捉え方もできるかもしれません。
"それぞれ二人忙しく汗かいて"の部分は働くことでもあり、性的なことでもあるのかもしれません。
とにかく活動的であることが経済をまわすことであり、推奨されていたのです。
すばらしい日々だ 力あふれ すべてを捨てて僕は生きてる
君は僕を忘れるから その頃にはすぐに君に会いにいける
出典: https://twitter.com/Millet_Hiroi/status/905290272812265472
"すばらしい日々"とはどういう意味でしょうか?
社会のためにすべてを捨てて働く人々。
そして大切な人と別れてしまうのです。
でも、もっとずっと時間がすぎれば懐かしいと思えるようになる。
懐かしいと心から思えるようになれば、また再会することができる。
解散時にあって、奥田民生は自分の思いを深く歌っていたのかもしれません。
なつかしい歌も笑い顔も
すべてを捨ててぼくは生きてる
それでも君を思い出せば
そんな時は何もせずに眠る 眠る
出典: https://twitter.com/SoSadAboutUs/status/869787879714635776
もし懐かしいと思うことがなく思い出すこともなくなったら、ただ眠るという虚無を歌っているようにも思えます。
朝も夜も歌いながら
時々はぼんやり考える
君は僕を忘れるから
そうすればもうすぐに
君に会いに行ける
出典: https://twitter.com/SoSadAboutUs/status/869787879714635776
「すばらしい日々」コード譜
「すばらしい日々」のコード譜を掲載しているサイトへのリンクを貼っておきます。
ぜひ歌ってください。