優しい気持ちが湧いてくる歌詞
悲しい言葉は おそらく鼓膜を
悲しい感じに震わせてしまうだろう
愛してる人よ 愛されたい人よ
鉄のような響きは 街中にあふれてる そんな事より
青い空に 紅い空に 思い出して欲しい
出典: 青十紅/作詞:ABEDON 作曲:ABEDON
人生を大事に過ごしてきた人にしか書けない優しい歌詞です。
他者への慰みや慈しみにあふれています。
人工的なノイズよりも青空や夕焼け空に意識を及ぼせばいい。
そうすれば哀しいことも乗り切ることができるはず。
だからいつでも青空と夕焼け空を胸に想い起こして欲しい。
ABEDONの優しい人柄が滲みます。
疾走感が素晴らしい曲
「気まぐれトラスティーNo.1」
川西幸一による作詞作曲です。
彼は旅先でiPadのアプリ「GarageBand」を使用してこの曲のデモ・ヴァージョンを作成したそう。
また実際の録音現場ではABEDONがドラムを叩いています。
川西幸一はボーカルに徹したのです。
ABEDONの音楽家・演奏家としての応用範囲の広さには驚愕します。
EBIとABEDONによるリズム隊の疾走感が素晴らしいです。
歌詞を見ていきましょう。
勢いに任せた歌詞に人柄が滲む
泣きたい時は泣けばいい 枯れちまうまで
苦しい時はグチりゃいい わいわい騒いで
かなり失敗 されど博打 たまにゃ当たる訳で
それも人生 これも人生 心もち次第さ
だいたいトラスティーNo.1 shake it up！！
(shooby doo bap, shooby, shooby doo wap.)
気まぐれトラスティーNo.1 check it out！！
(shooby doo bap, shooby, shooby doo wap.)
出典: 気まぐれトラスティーNo.1/作詞:川西幸一 作曲:川西幸一
歌い出しから盛んな勢いを感じます。
やけっぱちな人生哲学が貫かれていてサウンドのスピード感とともに聴きどころになっているのです。
こうしてここまで様々なメンバーの歌詞を並べてみると、それぞれの個性がくっきり現れます。
ただし「大体でいいからやろうぜ」みたいなイージーさはユニコーンというバンドに一貫しているよう。
若かった頃も再始動してからもその辺りの「ゆるさ」は共通しています。
エルドレッド選手の想い出に捧げる
「55」
広島カープを退団したエルドレッド選手に捧げた曲。
「55」とはエルドレッド選手の広島カープ時代の背番号です。
派手でありながら泣きまくっているギター・ソロは奥田民生によるもの。
歌詞はとにかくエルドレッド選手のかっこよさを伝えたい一心です。
野球に興味もない方もエルドレッド選手への想いの熱量は感じられるはず。
歌詞を見ていきましょう。
カープ壮年・奥田民生
大きなカラダ すこし笑った
どこからきたの どこのカントリー
シャツのサイズは エルを超えてる
頭はドレッド 金色に光ってる
つええ
どこにいたって すぐに分かるさ
遠くからでも 自転車ん時も
つええ かっこええ かっこええ
出典: 55/作詞:奥田民生 作曲:奥田民生
プロ野球選手の体格ならばシャツのサイズはLサイズどころではないです。
エルドレッド選手の逞しさを強調したい歌詞なのでしょうが、なんとなくその想い自体が可愛い。
歌詞で注目したいのは語尾の「音」です。
気持ちよく「e」音を伸ばしてゆく感じがこの歌詞の特徴。
タイトなバンド・サウンド。
パワー・コードを刻むエレキ・ギターのカッティングがそれこそかっこいいです。
ABEDONはこの曲のために「ROLI」という新しいシンセサイザーを試しています。
アルバムの中で一番爽やかな曲
「GET WIND 360°」
EBIによる作詞作曲です。
アルバム中で一番爽やかなサウンド。
モジュレーション（ゆらぎ）系のエフェクターを使用したギターの音色が素晴らしい。
また主旋律もポップかつキャッチーなメロディ。
ソロになってからのジョン・レノンが憑依したようなサウンド・プロダクションです。
アコースティック・ギターなどが使用されているかは分かりませんが、素朴でフォーキー。
歌詞を見ていきましょう。
