「大航海2020」
EBIによる作詞作曲です。
エレキ・ギターがカッティング、ソロともに全開に激しくなっているパワー・ポップ・ナンバー。
手島いさむのギター・パート、特に右チャンネルが激しいです。
作曲のEBIの希望でこの曲ではABEDONがベースを担当します。
パートごとに誰が担当しているか推測するのも楽しいです。
歌詞のテーマはタイトル通りで新時代の大航海を歌ったもの。
歌詞を見ていきましょう。
壮大なラブ・ソングでもある
この空の向こうへ 君に会いに行こうか 世紀の大飛行
汗かいて 食いしばって どこまででも
この海の向こうへ 君に会いに行こうか 世紀の大航海
風に乗って 波に乗って 汗かいて 食いしばって
這い上がって HIGHになって どこまででも
出典: 大航海2020/作詞:EBI 作曲:EBI
是が非でも「君」に会いにゆくよという壮大なラブ・ソングでもあります。
若い頃から女性人気が高かったEBIにはいつまでも素敵なラブ・ソングを作って欲しいもの。
彼も壮年と呼ばれる歳になって大人の滋味のようなものが漂っています。
汗かいて 食いしばって
出典: 大航海2020/作詞:EBI 作曲:EBI
南国のイメージで統一
「1172」
歌詞もサウンド・プロダクションも南国のイメージ。
ABEDONのオルガンの音が凶暴で素晴らしい。
タイトルは「1173(いい波)」の方が相応しい感じがします。
色々と調べたら「1173-1=1172」と変遷した経緯があるそう。
歌詞を読むとその辺の事情が分かります。
いい波にひとつだけ足らない
いい波は 音楽で なにより 名曲で
全てを ムダにする カラダを ゼロにする
明日も やること ひとつよ
いい波だ 音楽だ どれより 名曲だが
なにかが なにかが ひとつだけ足りない
明日もひとりよ いとこや妹じゃないのよ
出典: 1172/作詞:奥田民生 作曲:奥田民生
波の音が音楽に聴こえるというのがどこまでも音楽家らしい発想です。
それも凡庸な音楽ではなく、素晴らしい音楽として認識される。
ただしそこには何かがひとつだけ不足していると奥田民生は歌います。
リスナーにとっては足りないものなどない素敵な曲なのですが困ったものです。
このエピソードが先述した「1173(いい波)-1=1172」という計算式を導き出したよう。
手島いさむがガットギター。
奥田民生がギター・ソロを担当しています。
数字がいっぱいのナンセンスな歌詞が魅力
「365歩のマッチョ」
手島いさむによる作詞作曲です。
アルバム随一のユーモアに徹した歌詞です。
冒頭の派手なエレキ・ギターも手島いさむによるものと思われます。
ヘヴィ・メタルも真っ青なディストーション・サウンドです。
リフはヘヴィ・メタルというよりもハード・ロックの王道のよう。
この辺も調べたらギター・ソロが手島いさむで、その他のギターは奥田民生によるものとのこと。
このバンドの編成の割り振りはちょっと他のバンドでは考えられないほどに柔軟です。
メンバー全員が実力のある楽器奏者だからこそできる割り振りなのでしょう。
歌詞を見ていきましょう。
細かい数も律儀にカウント
月1行こう(12回)
週1行こう(52回)
走って握って持ち上げて(365回)
焦ってるのさ(ゴーゴー)
真面目にやろう(そうそう)
転んでもがいて立ち上がれ(365回)
出典: 365歩のマッチョ/作詞:手島いさむ 作曲:手島いさむ
ジムへ行く回数を律儀にカウントしています。
月に一回のジム通いならば年に12回。
週一回通うとしたら1年は52週ですから52回。
歌詞全体はナンセンスなのに細かい変なところで正確なのがおかしいです。
いずれにしても壮年になっても身体を鍛えているのは素晴らしい心がけ。