ふたりの夢は空に消えてゆく
ふたりの夢は東京の空に消えてゆく
君はいつも僕の記憶の中で笑っているよ
出典: 東京/作詞:峯田和伸 作曲:峯田和伸
2人で描いた夢。
それは付き合っていた時に夢みた、幸せな将来のことでしょう。
いつか結婚して、2人の子供が生まれて、そして孫ができて、2人で老後を過ごす。
当たり前のようで難しい、人生の幸せを2人で歩いていくことを夢みていたのです。
しかしその夢は、もう叶うことはありません。
2人が過ごした東京の喧騒に、ゆっくりと掻き消されてゆくのです。
ここでは愛した人との別れがどれほど辛いものかを痛感させます。
楽しかった思い出だけではなく、思い描いていた未来までもが潰えていくのです。
主人公の過去、現在、未来それら全てに影響を及ぼすほどの出来事。
それほど彼女の存在は大きいものだったのではないでしょうか。
負の感情が押し寄せてくる
それでも主人公の頭に浮かぶ彼女はいつも楽しそうです。
別れたてに思い出してしまうのは、楽しかった日常。
どうしても良い思い出ばかりが頭の中を繰り返すのです。
そしてどんどん増していく、後悔と虚無感。
いっそのこと嫌な思い出を思い出せたら、どれだけ楽になるでしょうか。
この歌詞から深い悲しみを感じ取ることができるのです。
主人公の喜び
愛の大きさ
人生とは旅だという だけど 過去は跡形もなく消えていく だけど
ふたり手をつないで歩いた道のりこそが 僕にとってはそれこそが旅だったよ
出典: 東京/作詞:峯田和伸 作曲:峯田和伸
私たちの一生は自由であるといっています。
どこへ行っても良い、何をしても良い、何を選んでも良いのです。
それこそが人生の醍醐味であるといわれているのではないでしょうか。
しかし主人公はそのどれもが不自由になっても、君といることこそが自由だといっているのです。
愛した人と共に過ごす。
何気ないような幸せこそが主人公の全てで、人生で、喜びだといっているのです。
それほどまでに彼女に心酔し愛している。
ここでは主人公の情熱的な愛を強く感じ取ることができるのです。
銀杏BOYZが伝えたいメッセージ
この歌詞から読み取れるメッセージ。
それは「人を愛するということはこういうことなんだよ!」というメッセージではないでしょうか。
昨今の世の中には不倫や、浮気など愛を疑うような出来事が頻繁に出てきています。
銀杏BOYZからするとそのような甘い考えや行動はありえないのです。
自分が愛している人を傷つける行為などして良いものなのでしょうか。
考えれば誰でも分かることなのです。
人を愛するとはどういうことなのか。
それは愛する人を傷つけるような行為はせず、ただただ愛し続けること。
相手の気持ちを考えて行動さえしていれば浮気をする気持ちなんて微塵も沸かないはずなのです。
歌詞からは人の愛し方を改めて感じ取ることができるのではないでしょうか。
さらに深く愛するということ
君が君以上に僕を愛してくれたこと
僕は僕以上に君を愛せていたのかな 僕はそんな君以上に君を愛せていたのかな
出典: 東京/作詞:峯田和伸 作曲:峯田和伸
そしてさらに深く愛するには、自分よりも相手を優先するようになると伝えたいのではないでしょうか。
万が一何かが起きた時に咄嗟に自分の命を投げ出してまで、相手を守る覚悟があるのか。
自分の身を挺することができるのは、自分より相手の方が大事だと思っている証拠なのです。
人間は自分が1番大事なはずです。
しかし愛するものができた時には、順位は入れ替わり自分は二の次になるのではないでしょうか。
親が子を守るように、大切なパートナーも守りたいと思うことができる。
それこそが深い気持ちで、本当の意味で愛していると言うことができるのです。
主人公はそこに疑問を持っています。
おそらくそこまで愛せていなかったと自覚しているのです。
相手は深く愛してくれていた。
主人公の愛が足りなかったが故に2人は別れてしまったのかも知れません。
銀杏BOYZ【東京】の歌詞考察〜まとめ〜
この曲で伝えたかった想い
銀杏BOYZがこの曲で伝えたかった想い。
それは人を愛するとはどういうことかです。
途中で考察した通りですが、生半可な気持ちで愛を語るなんて御法度。
愛とは重く、繊細で、そして最高な感情だったのです。
主人公は相手を愛していましたが、まだ愛が足りなかった。
ですがもう少しのところまでは来ていたのです。