チェッカーズの「ギザギザハートの子守唄」とは?

ギザギザハートの子守唄は、1983年9月21日にリリースされたチェッカーズの記念すべきデビューシングルでした。

残念ながら発売当初はほとんど売れませんでしたが、1984年1月に発売した2枚目のシングル「涙のリクエスト」の大ヒットによって、それまで全く売れてなかった「ギザギザハートの子守唄」もその相乗効果で順位を上ました。

3枚目のシングル「哀しくてジェラシー」と共に、3曲同時トップ10入りを果たします。

デビューシングル「ギザギザハートの子守唄」にまつわる秘話

当初は「ギザギザハートの子守唄」ではなく、そのB面の「恋のレッツダンス」という曲がチェッカーズのデビュー曲になる予定でした。

しかしチェックの衣裳とのギャップが大きいことでインパクトがあるという理由から「ギザギザハートの子守唄」がデビュー曲となったそうです。

当時、チェッカーズメンバーの1人だった藤井フミヤさんはこの曲のことを、「この曲を初めて聞いた時、演歌かと思った」と語っていました。

チェッカーズの「ギザギザハートの子守唄」の歌詞に隠された意味とは?

この曲の歌詞に隠された意味とはどのようなものなのでしょうか。それらをここでは詳しく見ていきましょう。

ちっちゃな頃から悪ガキで
15で不良と呼ばれたよ
ナイフみたいにとがっては
触るものみな傷つけた

恋したあの娘(コ)と2人して
街を出ようと決めたのさ
駅のホームでつかまって
力まかせになぐられた

出典: ギザギザハートの子守唄/作詞:康珍化 作曲:芹澤廣明

この曲は、思春期の悩みや苦しみを歌っている?

 まず、この歌詞の冒頭、Aメロ、Bメロなどで何か周囲を困らすアクシデントやトラブルが起きます。

そして、不器用な自分自身をうまくコントロールできず、周りに迷惑をかけてしまう様子が描かれます。

恋する人と街を出るため駅のホームまで行きますが、おそらく彼女の父親か分かりませんが、誰かに殴られてしまいます。

歌詞を聞くと、いかにも80年代の、ちょっと不良な中・高校生が色々なトラブルを起こしながら思春期を悩み、苦しみながら大人になろうともがいているような姿が頭の中に浮かんできますね。

サビでは、仲間の死を乗り越えようとしながらも、周囲に自分の気持ちを理解してもらえない辛さを表している

仲間がバイクで死んだのさ
とってもいい奴だったのに
ガードレールに花そえて
青春アバヨと泣いたのさ

あー わかってくれとは言わないが
そんなに俺が悪いのか
ララバイ ララバイ おやすみよ
ギザギザハートの子守唄

出典: ギザギザハートの子守唄/作詞:康珍化 作曲:芹澤廣明

そして、ついに仲間がバイクで死んでしまうというショッキングな事件が起こります。この歌詞はとてもストーリー性が強くインパクトが大きいので何度か聞くと頭に残るのかもしれません。

そして、死んでしまった友達の死を「良い奴だったのに…」と悲しむ気持ちがつづられています。自分で撒いた種からアクシデントやトラブルを色々とおこしますが、それは、思春期のどうしようもない不器用さや不安定さのせいなのかもしれません。

大人になりきれないモヤモヤした時期の真っただ中にいる誰でも大人になるまでに通ってきた姿がそこにはあり、だれにも理解されない苦しみや、どうせわかってもらえないという気持ちがとてもサビでも強く出ています。

ララバイララバイという歌詞に載せて、思春期という時期をこの歌詞は歌っているのです

「ギザギザハート」とは思春期の頃の不安定な気持ちをあらわしているの?

歌詞の意味を理解したところで、この曲のタイトル「ギザギザハートの子守唄」の「ギザギザハート」とは、思春期の頃の不良やヤンキーたちの不安定な壊れやすい気持ちを表していることがわかります。

だからこそ、当時の中学生、高校生たちが聞くと自分たちの気持ちを代弁してくれているような気がして共感ができたのかもしれません。

逆に大人になってからこの曲を聞くと、当時の甘酸っぱく、懐かしさもありますが、照れくさいような気持ちになってしまうはずです。

「ギザギザハートの子守唄」が二次会で盛り上がるダンス曲として、今なお愛されている理由は?