進むことをやめない
どこまでも前へ
うまくいかなくても やめない
出典: いつかまたここで/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
どれだけ今に対して真摯に向き合っていたとしても、失敗がなくなるわけではありません。
そして全てのことが上手く進んでいく訳でもないのです。
そんな時には心が折れてしまいそうになったり、気持ちが後ろ向きになってしまったりすることもするでしょう。
しかし彼はそれでも前へ進んでいくことをやめないといっています。
例え無駄に終わってしまったとしても未来の自分にとっては必ずプラスになる。
その確信があるのでしょう。
どれだけ頑張っても報われない気持ちでいたとしても、いつかは光が見える。
彼は今までの経験からそのことを深く理解しているのです。
これはB'zの長い音楽活動にも関係しているといえるのではないでしょうか。
今まで活動を辞めることなくここまできたのは、ここで書かれているような信念があるからなのでしょう。
活動の中でうまくいかない時期があったとしても、次は成功させるという熱い気持ち。
その姿勢こそまさにB'zらしいといえるのではないでしょうか。
再会を目指して
今きみと ともにいる この場所が好き
思いきり 抱きあいたい いつかまたここで
出典: いつかまたここで/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
失敗したとしても良いと思えるのは、今という時間を愛しているからでしょう。
2度とは戻ってこないことを知っているからこそ、その時間が尊い。
ここでも「ある場所」が登場しています。
これもライブ会場を意味していると考えられるのではないでしょうか。
今「きみ」と一緒に居られることの奇跡や、ライブでの体験を共有できることを喜んでいる。
その出会いというのは一期一会であり、また出会えるという保証はありません。
しかしながら、B'zが長く活動を続けていれば、また出会える確率は上がります。
この歌詞からはまだまだ現役で活動を続けようというB'zの気概が感じられる表現です。
絶対にまたライブ会場で会おう。
音楽を通して一体となることができるその場所を彼らが大事にしていることが伝わってきます。
人生に必要なもの
絆を思い出しながら
太陽の下でも 凍える雨でも 強くかたくなった絆
愛すべきは仲間 たとえ去っていっても(忘れない)
出典: いつかまたここで/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
一緒に人生を進んできた仲間たち。
ここではその存在に想いを馳せているようです。
太陽や雨というのは、人生の紆余曲折を表していると考えられます。
ネガティヴな出来事も、ポジティヴな出来事も一緒に過ごしてきた。
その絆は、何物にも代え難いものです。
主人公にとっての今までの経験の割合でも、彼らと過ごした思い出の比重は大きいことでしょう。
愛している仲間たちとも、いつかは必ず別れが訪れます。
そして、そんな時に残された人間にできること。
それは忘れずに心の中に彼らの存在を留めておくことです。
そうすることで彼らが自分の心で生き続け、いつか立ち止まってしまいそうな時に背中を押してくれることでしょう。
情熱を抱えて
情熱を なくさずに 歩き続けて
傷ついて つかれ果て 愛を知らされて(たどり着いた)
今きみと ともにいる この場所が好き
出典: いつかまたここで/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
人生において、モチベーションを保ちながら日々を過ごすことはとても困難です。
夢を叶えるという気持ちや未来を見据えるということだけではどうにもならない時もあります。
それでも自分が本当に大切にしたいものへの情熱を見失わないこと。
それが何よりも大事なのです。
もしも目標を見失ってしまってもこれを大事にしたいという気持ちがあれば大丈夫。
2行目の「愛」という言葉はB'zの活動を当てはめてみると理解しやすくなります。
この「愛」は彼らにとってはファンからもたらされたものだと考えられるのではないでしょうか。
活動の中で何度も何度も打ちのめされながらも、自分たちを待ってくれているファンを思い浮かべる。
自分たちの活動を支えてくれる彼らの存在に対して、愛を感じたのでしょう。
音楽というものは全てアーティストだけでは成り立たず、聴いてくれる相手がいるからこそ成り立っているのです。
彼らはそんなアーティストとファンの間で生まれる愛の形をファンに教えてもらったと考えているのでしょう。
そんな風に知らされた愛を抱きしめながら、彼らはライブ会場でその愛を返したいと思っているのです。
再会という名の希望
生きてれば 会えるだろう いつかまたここで
いつかまたここで
出典: いつかまたここで/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
彼らはそんな愛の形を知らされたことで今という時間の尊さに気づいたということなのかもしれません。
愛と一言でいってもそこにはたくさんの形があります。
それは、家族や恋人や友人たちへの愛。
いつか別れが来たり、一緒に居られなくなったりしてもその愛の存在は消えません。
そして生きている限り、またその愛を頼りにして再会ができると彼はいっています。
会えるという保証はそこにはありません。
しかしそういった希望こそが人間の特権であり、人生において前へ進む力を与えてくれます。
お互いの人生を応援し合うことで、私たちは今いる場所から更に遠くまで進んでいけるのです。
B'zにとっては、愛の形というのがファンとの交流によって形作られているのでしょう。
ライブ会場や作品を通してファンやリスナーと出会い、自分たちの音楽を愛してもらうこと。
それが活動の原動力となり、今まで長い年月をかけて自分たちの音楽を追求してこれた。
そんな自分たちへの愛情に対する感謝と、その恩返しをしたいという気持ちがこの曲からは伝わってきます。
ライブ会場での再会を誓うことで、彼らは自分たちも鼓舞しているのでしょう。
このB'zというユニットを守り抜いて、いつまでも続けていこうという気概さえ感じます。
「いつかまたここで」はある人間の人生を表しながら、今までのB'zの活動を通して生まれた想いも表していました。
彼らのファンに対しての想いがダイレクトに伝わってくる楽曲です。