時間も空間も物質も、失ったり離れてみたりすることで初めて大切さに気づくものです。

自分自身について、偽りふるまっていた日々は過去にありませんか?

もしくは、今この瞬間もそのような状態では?

今であれば、その時の自分に対してアドバイスができることでしょう。

「素直になれ、ありのままであれ」と。

そうすることで、「弱さ」が他人にみえてしまうことは自明です。

しかし、「弱さ」をみせることができるのも「強さ」の一つといえるのではないでしょうか。

「弱さ」を支えてくれる仲間がいて、より一層絆が深まるきっかけになるかもしれません。

ふとした他人からの助言や提言で、案外あっさりと解決できることも。

ただ、「弱さ」をみせてありのままの自分をさらけ出すという行為には大きな勇気とエネルギーが必要です。

「ありのままであるために、勇気を出すんだ」と、今の自分にも手紙を書いてみませんか?

手遅れになる前に

籠に入れられた鳥は いつしか自由を失ってた
ある朝 逃げ出してみたけれど もう飛べなくて…

出典: 願いの詩/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

残念なことに時間は有限であり、現状この事実を変える術はありません。

一行目の歌詞に出てくる「鳥」は「人間の誰か」をたとえている姿でしょう。

あなたがこの鳥のようになりませんように、すなわち手遅れになりませんように…。

「願いの詩」を聴いてくれたリスナーに対しての小渕の「願い」が込められているように思えます。

救いの手段は、いくらでもある

夏の終わりにうつむく向日葵(ひまわり)
拭いきれない悲しみの雨に傘を
鋭った心にやわらかな毛布を
冷たい壁には君の絵を

出典: 願いの詩/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

二行目から四行目の歌詞には、さまざまな救済方法が記されています。

困難の種類によって、それを克服する手段は変わることでしょう。

そして、どんな困難であっても解決する一手が存在すると信じたいものですね。

障壁を取り払うためには、今までやってこなかった、考えてこなかったアイデアが必要となります。

しかし自分一人では絞り出せるアイデアに限界があることでしょう。

だから、仲間や大切な人に「弱み」を打ち明けてみることをこの歌詞ではオススメしています。

そして自分だけではなく、周りの困っていそうな人にも気遣いをみせてあげましょう。

「弱み」を補い合ってこそ、強い個々、強い集団が結成されるのです。

このフレーズは、「夏の甲子園」を闘う者達への金言となること間違いなしですね!

この曲は誰へのメッセージ?

この曲の歌詞は高校球児達だけに向けて書かれたものではありません。

答えは、歌詞の最後に綴られております。

メッセージソングの最後に相応しい、その歌詞を見てみましょう。

すべての者へ伝わりますように

無名のランナーに声援の追い風を
群れにはぐれた羊にママの居場所を
愛する人に疑い無き祈りを

出典: 願いの詩/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

仕事や学業なので孤独に闘っている方々へ。

家族関係や人間関係で悩んでいるあなたへも。

恋人や夫婦と心地良く過ごすことができていない皆さんに対してまで。

いってみれば、地球に住むすべての人へ向けて送ることができるメッセージ内容になっています。

正直に生きよう、ありのままでいよう。

誰かに助けを求めることは悪いことではなく、強いことなんだ。

こうまとめてしまうと、とてもシンプルなものに聞こえてしまうかもしれません。

実際にこの言葉はとても深く、重いものであり、意識していなければ実行できないことでしょう。

この曲をきっかけに、あなたの人生の路線が何か良い方向へ向かうと素敵ですね!

小渕自身へ向けても?

この僕に願いを この詩(うた)は君と
あの頃の僕に

出典: 願いの詩/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

このような結びで幕を閉じる「願いの詩」。

「君」というのは、リスナーであるあなた以外である可能性も考えられます。

「僕」とは誰を指すのでしょうか。

ひょっとしたら、小渕自身に対しても書かれた曲なのかもしれませんね。

抽象的な締めくくりは、深い余韻を残します。

「君」や「僕」の正体を考えてみるのも面白いことでしょう。