ダンジョンに入っていく挑戦者の様子を描いた1番

また怖いもの知らずがやってきた
腕に覚えがあれば戦ってきな
引き返すなら今のうち
凡人にはこの先袋小路

出典: Enter The Dungeon/作詞:SKY-HI 作曲:SKY-HI、JHETT a.k.a. YAKKO

今まさにダンジョンへと足を踏み入れたチャレンジャーの様子が描かれています。
「腕に覚えがあれば戦ってきな」と囁くのは、ダンジョンに棲むモンスターたちでしょうか、あるいはダンジョンそのものでしょうか。
いずれにせよ、凡人が入る場所ではない、ただならぬ空気が伝わってきます。

まとわりつく湿った空気
弱肉強食がここの流儀
君の武器は言葉と勇気
迎えるのは血に飢えた住人

出典: Enter The Dungeon/作詞:SKY-HI 作曲:SKY-HI、JHETT a.k.a. YAKKO

ダンジョン内部の様子を描いたパートです。
「言葉と勇気」が武器になるというのは、まさにフリースタイルのバトルを言い表しています。
「血に飢えた住人」は、待ち構えたモンスンターたちのことでしょう。
物理的な攻撃をし合うわけではありませんが、言葉で相手を攻め合うフリースタイルはまさに闘いなのです。

通すまいとする魔法使い 震える膝の蝶番
階段も遠くない と奮い立たせてみても相当辛い

残り少なくなった薬草 煎じて傷口を洗うと
また進む 悪魔が誘う様
フリースタイルダンジョンいざ覚悟

出典: Enter The Dungeon/作詞:SKY-HI 作曲:SKY-HI、JHETT a.k.a. YAKKO

チャレンジャーたちは、怯えながらも自らを奮い立てて進んでいきます。
次から次へと現れるモンスターたちを倒しながら、栄光を目指して奥へ奥へと向かっていくのです。

戦って勝ってみせたって終わりなんて見えやしないダンジョン
もしかして負けて泣いたって奴の怨念か?フリースタイルダンジョン
戦って勝ってみせたって終わりなんて見えやしないダンジョン
どうにかして抜け出したいならKeep ya head up

出典: Enter The Dungeon/作詞:SKY-HI 作曲:SKY-HI、JHETT a.k.a. YAKKO

ダンジョンを抜けるためには「Keep ya head up」=前を向いて進むしかない、と歌うサビ。
実際、フリースタイルダンジョンでは多くのチャレンジャーたちが破れ、涙を飲んでいきました。
その屍を乗り越えて、なおも戦おうとするチャレンジャーを奮い立たせる歌詞になっています。
不穏なトラックにのった不敵な歌詞が、緊張感をどんどん高めていきます。

ダンジョンを抜けた、その先に待っているもの

サビでは「戦って勝ってみせたって終わりなんて見えやしない」というラインが繰り返されています。
フリースタイルと音源制作とでは必要とされる能力が異なっており、MCバトルが終わった後にも「対社会」「音源制作」といった異なるダンジョンが待ち構えているという意味も込められているそうです。
下記のインタビューも、是非読んでみてください。

自身の生き様や死生観を最高級のポップミュージックでありエンターテインメントに仕立てあげる――SKY-HIのニューアルバム『カタルシス』は、彼のそういった“執念”がドラマティックに結実した作品である。緻密なストーリーテリングを意識しながら楽曲をクリエイトし、DJ WATARAI、Mr.Drunk(Mum…(1/3)

バトルの勝者を描いた2番

モンスターからモンスターからモンスター亡骸の上に立つ勝者
生傷の数上がるレベル
誰か言ったな「ここは呪われてる」

出典: Enter The Dungeon/作詞:SKY-HI 作曲:SKY-HI、JHETT a.k.a. YAKKO

徐々にモンスターを倒していくチャレンジャー。
呪われたダンジョンを攻略し、勇者のように進んでいきます。

昨日の友も今日の敵
寝首かかれて終わっちゃしょうもない
ここで名乗るのは互いにコードネーム
これはアタマとココロの消耗戦

出典: Enter The Dungeon/作詞:SKY-HI 作曲:SKY-HI、JHETT a.k.a. YAKKO

普通であれば「昨日の敵は今日の友」と言うところですが、ここでは「昨日の友も今日の敵」
ラップにおけるフリースタイルでは、負けん気に溢れた攻撃的な言葉がいくつも飛び出します。
普段は仲の良い友人だとしても、一度ダンジョンに踏み入れば「敵」となります。
頭の回転と負けない心、どちらも欠かせないフリースタイルは、まさに「アタマとココロの消耗戦」なのです。

数えきれぬ程の夜を潜り抜けて届くボス
「ここまでだ!」俺が滅ぼす 必殺のライン眉間に落とす

膝から落ちた惨死体の
傍にある金銀財宝
「見たか、俺こそが王者だ!」
羨望と嫉妬を背に男は立つ

出典: Enter The Dungeon/作詞:SKY-HI 作曲:SKY-HI、JHETT a.k.a. YAKKO

ここで出てくる「ボス」は、「ラスボス」である般若をイメージしているでしょうか。
ボスを「必殺のライン」で倒し、周囲からも王者と認められるチャレンジャー。
しかし、彼を待っているのは単なる「羨望と嫉妬」だけではありません。
続きの歌詞を見ていきましょう。

ダンジョンは終わらない