唯一無二の歌声を持つ歌手・Aimer
Aimerはバラードを中心に高い歌唱力と繊細な歌い方で注目されているアーティストです。
デビューは2011年とまだキャリアはそこまで長くはありませんが、曲を出すたびに様々なドラマやアニメなどの主題歌として起用されることからもわかる通り、人気は急上昇中です。
Aimerの魅力は自身が紡ぐ深い歌詞もそうですが、もっとも大きいのは彼女の独特の深みのあるハスキーな歌声です。
彼女は15歳の頃に歌の歌いすぎで声帯を傷めてしばらく歌を歌えなくなってしまいましたが、その後沈黙療法という方法で回復させました。
実は、まだ彼女の声は完治しているわけではないのですが、声帯を傷めたことで得られた独自の声を生かすためにあえて治療を継続せずに歌い続けているのです。
Aimer「星屑ビーナス」
しっとりと濃厚なバラード
Aimerといえばしっとりとしたバラード曲をよく歌ってきましたが、「星屑ビーナス」も柔らかなメロディーラインに乗せたラブバラードとなっています。
失恋の曲ではあるのですが、Aimerの柔らかく深みのある歌声で歌われることによってどこか希望を感じさせるような雰囲気に仕上がっています。
ゆっくりのメロディーで展開していくのにリズム感もきちんとあるので、つい口ずさんでしまいたくなるような中毒性のある楽曲です。
別れの時の切ない気持ちを表現
この楽曲では、男女の別れの際の最後の一幕を印象的に描いています。
「別れるのは悲しいけれど、相手のことを考えたら最後まで笑顔でいたい」そんな女性の心境を表現しているのですが、優しいメロディーと相まって感情が揺さぶられます。
また、「別れるのは辛いけれど、それでもここからまた一人で歩んでいかなければ」というような決意も同時に描いているのです。
ただ悲しいだけの曲というわけでもなく、またそこが切なさを増幅させます。
Aimer自身の作詞作品には珍しいストレートな表現
Aimerの楽曲はAimer自身が作詞をしているものも多くありますが、多くの曲はたとえや比喩を用いたりしてどちらかというと聞く人に読み取ってもらうように書いていたものが多い傾向です。
しかし「星屑ビーナス」は異なっており、歌詞を見るととてもわかりやすい表現で描かれています。
これはAimer自身が、「ハッキリとした言葉を選んで書こうと思った」と語っています。
ドラマ「恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか?」主題歌
Aimerの「星屑ビーナス」は、佐々木希主演で公開されたドラマ「恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか?」の主題歌として起用され、高い注目を集めました。
原作は小説ですが、恋も仕事もなかなかうまくいかない主人公の女性の日常を描いたストーリーとなっています。
実は、原作の作者である中居真麻が日本ラブストーリー大賞にこの作品を応募した時のタイトルが「星屑ビーナス!」で、主題歌となったAimerの楽曲もこれから名前をつけたのです。
切ない歌詞が魅力
「泣き顔なんか もう見たくないでしょう?」
笑っていたのは強がりからじゃなく
泣き顔なんかもう見たくないでしょう?
出典: https://twitter.com/haiirononanida/status/871550820050911232
別れというのは悲しいものです。
多くの場合、喧嘩別れにせよそうでない場合にせよ、別れ際は双方が悲しさや辛さを抱いて、それが雰囲気に出るものです。
しかしこの曲に登場する女性は、「相手は泣き顔なんてもう見たくないはず」と思って必死に笑顔を作っています。
誰だって相手の悲しい顔を見ながら別れるのは辛いものです。
思い出した時にもきっと最後の姿が優先的に、印象的に思い出されるはずです。
そのような思いを相手にさせないために笑って別れを告げるというのはとても勇気がいることですが、この女性は彼の前では最後まで笑顔でいようと決めているのでしょう。
「強がりではない」と言っていることからも、相手のことを思っての行動であることが読み取れます。