Aimer「茜さす」

2016年11月発売のシングル

Aimer『茜さす』の美しすぎるMVに注目!!不思議と心が温まる素晴らしい曲だと話題♪の画像

「茜さす」は、2016年11月に発売されたAimerの両A面シングル「茜さす/everlasting snow」の収録曲です。

通常盤と合わせて初回限定盤が発売され、その特典にはAimerの代表曲「カタオモイ」のMVが収録されたDVDが同梱されました。

Aimerにとって12枚目のシングルとなったこの作品は、オリコン週間チャートで8位のヒットを記録しました。

曲によって様々な表情を見せるのがAimerのシンガーとしての魅力ですが、感情を煽る壮大で感動的なバラード「茜さす」では、聴いていて実際に胸が締めつけられるような切なさを見事に表現しています。

アニメ「夏目友人帳 伍」エンディングテーマ

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「茜さす」は、アニメ「夏目友人帳 伍」のエンディングテーマに起用されました。

夕暮れの情景が浮かぶ切ないこの曲は、どこかノスタルジックな雰囲気が漂うこのアニメのエンディングを優しく切なく盛り上げました。

これまでも数々のアニメタイアップを果たし、そのどれもが高評価を得てきたAimer。「夏目友人帳 伍」でも、その世界観に合わせながら巧みに曲を魅せています。そこでは、彼女の技術・魅力が存分に発揮されています。

「茜さす」の初回限定盤は、「夏目友人帳 伍」のキャラクター「にゃんこ先生」が大きくデザインされた仕様のものも発売され、ファンにとってはたまらない1枚となりました。

「茜さす」の切ない歌詞を紐解く

寂しげな光景が浮かぶ歌い出し

枯葉舞う 町角を 駆け抜けてく乾いた風
伸びた影とイチョウ並木 季節を見てたかった

返事のない呼ぶ声は あっという間 かき消されてしまう
目抜き通り人波 抜けて どこか遠く 誰もいない場所へ

気付いていたのに 何も知らないふり
一人きりでは 何も出来なかった

出典: http://j-lyric.net/artist/a05570f/l03d0bf.html

「茜さす」の歌詞の特徴は、曲中で描かれる光景が、その色まで細やかに思い浮かぶような秀逸な風景描写です。

歌い出しの歌詞から想像される季節は秋、時間帯は夕日が赤々と輝く夕暮れでしょうか。

「季節を見てたかった」という後ろ向きな表現。その前には「君と」という言葉がつくのでしょうか。

「返事のない呼ぶ声」、「誰もいない場所へ」、「一人きり」といった表現から、曲の主人公の孤独な立場が想像されます。

ここまでで、この曲は失恋を描いているんだと分かります。

終わってしまえば幻のような恋

出会えた幻にさよならを 茜さす この空に
零れた弱さに 手のひらを 一輪の徒花 そんなふうに
願い叶え 痛みを知る

出典: http://j-lyric.net/artist/a05570f/l03d0bf.html

「出会えた幻にさよならを」という、歌詞の中でも特に印象に残るサビの頭の言葉。

どんなに幸せだった恋でも、どんなに心を満たしてくれた恋でも、終わってしまえばまるで幻だったのかと思えるほど儚いものです。

大切な人と愛し合えるという願いが叶っても、その願いが掻き消えてしまった後にはかえってそれが痛みとして残ります。

綺麗な夕焼けも切なさを煽るだけ

渡り鳥の鳴く声も 赤く染まる雲に消えてしまう
帰り道も遠く離れて 今は一人 誰もいない場所で

気付いた景色の色にふれたとしても
一人きりでは 声も出せなかった

出典: http://j-lyric.net/artist/a05570f/l03d0bf.html

渡り鳥が飛んでいく光景や真っ赤に染まった雲、そんな風景描写のどれもが「夕方」という一際切なさを感じる時間を鮮やかに描き出します。

その景色は否応なしに見た人の気持ちを高まらせるほど美しいものですが、それに気付いても主人公にはその感動を伝える相手はもういません。

ただ一人で夕暮れの美しさに息を飲む、その光景は、どうしようもなく切なくて寂しいものですね。