「ミス・ブランニュー・デイ」ってどんな曲?
1978年に「勝手にシンドバッド」で華々しくデビューしたサザンオールスターズ(以下・サザン)。
サザンは人気を博しましたが、その自由気ままな歌風に批判もあり、現在のような国民的スターというポジションではありませんでした。
80年代のヒット曲!収録アルバム情報
「ミス・ブランニュー・デイ 」のリリースは「勝手にシンドバッド」のリリースからちょうど6年後の1984年6月25日。
オリコン週間ランキングでは6位。リリース年の8月・9月には2ヶ月連続でトップ10入りするという好記録も残しています。
筆者が最初にこの曲を聴いたのは1998年に発売されたベストアルバム『海のYeah!!』でした。
1984年当時発売されて大ヒットとなったオリジナルアルバム『人気者で行こう』にも本曲が収録されています。
1曲で聴くのもいいですし、アルバムを通して聴くのも面白いですよ。ぜひチェックしてみてくださいね♪
「ミス・ブランニュー・デイ」って誰?
サザンの曲には「いとしのエリー」や「栞のテーマ」、「夢に消えたジュリア」など、女性の名前を冠している曲名がいくつかありますね。
これらの女性名には元ネタとなる人や曲があります。
そのため「ミス・ブランニュー・デイ」も「誰を指しているの?元ネタはあるの?」と疑問に思う人も少なくありません。
結論から言うと、本曲の曲名には特定のモデルはいません。
英語の「BRAND-NEW DAY」には「新しい1日・素敵な1日」という意味があります。
そこに、女性に対する敬称「MISS」を付けることで「新しいもの=流行を日々追い求める女性の姿」を反映させているのです。
「ミス・ブランニュー・デイ」の歌詞を解釈♪
<誰かと似た身なり>の女性たち
夢に見る姿の良さと美形のBlue Jean
身体と欲でエリ好みのラプソディー
出典: ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
「ミス・ブランニュー・デイ」がリリースされた1984年。
この年には、今でも毎年発表されている『ベストジーニスト賞』が開始されています。
歌詞の<Blue Jean>とはジーンズのこと。
70年代から日本のファッションに定着してきたジーンズは、80年代に一大ブームを引き起こしました。
歌詞からは、モデルさんが着こなす流行のジーンズ姿を見て、心を躍らせる女性像が浮かび上がってきます。
Oh Oh Miss Brand-New Day
皆同じそぶり
Oh Miss Brand-New Way
誰かと似た身なり
出典: ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
この時代、流行したのはジーンズだけではありません。
70年代後半から、ブランドブームのはしりともいえる「ニュートラ」や「ハマトラ」というファッションスタイルが流行。
雑誌『JJ』や『CanCam』では定期的に特集され、当時の女子大生を駆り立てました。
1980年以降は、当時デビューした松田聖子さんの髪型「聖子ちゃんカット」を真似するティーンズも続出。
さて歌詞に戻ってみると、この部分、当時の流行を追う若い女性へ「そこのおねえちゃん」と呼びかけているように感じませんか?
そこのおねえちゃん、 <皆同じそぶり>だね。<誰かと似た身なり>だね。と。
意味の無い流行の言葉と見栄のIllusion
教えられたままのしぐさに酔ってる
Oh Oh Miss Brand-New Day
月並を愛し
Oh Miss Brand-New Way
お出かけの前に
出典: ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
歌詞では<流行の言葉>を<意味の無い>と言ったり<見栄のIllusion>(幻想)と例えたり。
当時流行を追う女子にとっては辛らつな言葉が並んでますよね。
この曲って流行を追うことで<月並み>な無個性になっている女性たちへのロックな社会風刺なのでしょうか?