アルバム名にもなった「真珠のピアス」
収録アルバムのテーマは都会のOL
真珠のピアスが収録されているアルバム「PEARL PIERCE」。
デビューから10年目の1982年に発売されました。
アルバムのテーマは「ユーミンが想像する都会のOL」だそうです。
収録曲は以下のようになっています。
A面
1.ようこそ輝く遊園地へ
2.真珠のピアス
3.ランチタイムが終わる頃
4.フォーカス
5.夕涼み
B面
1.私のロンサム・タウン
2.DANG DANG
3.昔の彼に会うのなら
4.消息
5.忘れないでね
出典: PEARL PIERCE/松任谷由美
歌を書く際に、あまり意味を持たせないユーミン。
しかし、このアルバムはどこかストーリー性のある曲が多い印象。
その中でも異彩を放つポップナンバーが、アルバム名にもなった「真珠のピアス」です。
ファンレターに綴られた、ファンの実体験をもとに書かれたとのこと。
浮遊感のある歌詞が多いユーミンの曲の中でも、かなりリアリティのある仕上がりです。
キャッチーながら一本調子ではない曲構成
ヒットソングというのは口ずさみやすい曲が多いです。
この曲も歌い出しからキャッチーな進行ですが、突然Bメロで大きな転換があります。
弾むように軽快なリズムから、突然ゆっくりなユーミンらしいメロディックな進行に転換するのです。
さらにガラッと雰囲気を変えて、すぐに軽快なサビへ入っていく、まさにユーミン節!
この連続する激しい転換は、耳が疲れてしまうのではないかと思われる方もいると思います。
しかしそれがむしろ耳に入って来やすく、覚えやすい。
まさにプロの技です!
そんな曲が持つ雰囲気や複雑な構成、そこにユーミンの声が重なってできている「真珠のピアス」。
今回はその歌詞にフォーカスを当てていきます。
意味深な行為
なぜ「片方」捨てたのか
軽快で歯切れのいいギターの音で始まるこの曲。
歌い出しはまさにユーミンらしい浮遊感のある印象です。
Broken heart 最後の夜明け
彼のベッドの下に片方捨てた
Ah・・・・真珠のピアス
出典: 真珠のピアス/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実
それに続いて「最後の〜」とあるので、この時点で失恋ソングであることが伺えます。
そして彼が起きる前に捨てた「真珠のピアス」。
「彼のベットの〜」とあるのできっと、彼にはまだ気づかれたくないのでしょう。
真珠のピアスはきっと彼に貰った物。
それを片方だけ気づかれないように部屋に捨てる。
一体どういう意味の行為なのでしょう。
別れの時だと知っている?
いつもの抱擁も...
ユーミンの声で少し儚げに歌われるAメロ。
2人の別れを淡々と歌い上げています。
肩にアゴをのせて耳元でささやくわ
私はずっと変わらない
出典: 真珠のピアス/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実
このフレーズで描かれる光景は容易に想像できます。
玄関でお別れのハグをする2人。
彼に言った「私は〜」の意味とはなんなのでしょう。
筆者は別れの時だと、わかっているからこその台詞だと思われます。
もうここでお別れだけど、戻って来たくなったらいつでも戻って来てねと。
そんな意味を持った台詞であると思います。
歌の主人公である彼女は、まだ彼のことが好きなのでしょう。