「Look Up」と歌ってくれる
2019年11月6日発表、Nulbarichのミニ・アルバム「2ND GALAXY」に収録された「Look Up」。
この曲の歌詞を和訳してJQが託した想いを紐解いてみましょう。
サウンドはブラック・ミュージックのようでありAORでもあるような懐かしくも新しいものです。
様々な潮流の音楽を組み込んで吸収していることでNulbarichのサウンドは唯一無二になりました。
「Look Up」も何とも形容し難いポップスなのですが歳を経たリスナーはAORの響きを聴くでしょう。
若いリスナーにとってはまったく未知の音楽に聴こえるかもしれません。
懐かしくて新しいのはサウンドだけではありません。
英文が多い歌詞ですので1970年代から1980年代の洋楽を思い起こします。
「Look Up」の歌詞は見上げてごらんというタイトルの通りに非常に前向きなものです。
この曲でJQがあなたに伝えたかった想いを明らかにします。
素顔は謎が多すぎるNulbarichとJQですが、楽曲で伝えたいことは鮮明です。
それでは実際の歌詞をご覧いただきましょう。
君が落ち込んでいるなら
泣く君を放っておけない
Baby baby baby tell me why you look so down
Do you do you do you need someone to dry your eyes
出典: Look Up/作詞:Jeremy Quartus,Patrick Hartman 作曲:Jeremy Quartus,Patrick Hartman
「ベイビー、ねえ、ベイビー なぜ君ががっかりしているように見えるのか 僕に教えて欲しい
君は泣き崩れた両目を乾かしてくれるような誰かを求めているのか」
歌い出しの歌詞になります。
JQの柔らかい声が素敵でしょう。
和訳を添えてあります。
登場人物は語り手の僕と気にかかっている君です。
僕が君を励ますように声をかけている姿を想像してください。
誰しも落ち込んでいるような人には心配になって声をかけてみるものです。
ましてや涙を流している人を放っておくことはできません。
自分も何か励ますための力になれたらと願うはずです。
実際は他者の力がどこまでその人の心に届くのかは未知数でありケース・バイ・ケースでしょう。
それでも私たちは生まれながらにして社会的な存在です。
赤児のときに泣き叫べば両親はその原因がどこにあるのか必死に探してくれました。
子どもの頃よりも悩みというものがより複雑になっている大人にも同じように接します。
優しさとは伝播させるものであって自分の心に溜めておいても仕方がないからです。
僕は君に対して真剣に気遣っています。
この先のドラマを見てゆきましょう。
まずやってみることが肝心
この先に待つのはdark or bright
まず思うがままにJust give it a try
出典: Look Up/作詞:Jeremy Quartus,Patrick Hartman 作曲:Jeremy Quartus,Patrick Hartman
「この先に待つのは暗闇だろうか輝きだろうか
まず思うがままに試してみるだけさ」
僕は君に声をかけるのですが、この先の天気模様が分からないかのように伝えます。
君の行き先が暗闇の中にあるのか、光り輝く世界なのか僕はどちらも保証できません。
あまりにも正直な問いかけでしょう。
そしてまずは自分のやりたいように試してごらんと歌うのです。
君にしても事態を打開するには何らかの行動を示す必要があります。
僕は泣いている君に新しいステージに向かうように促してあげるのです。
言葉で慰めるのは限界があるでしょう。
大切なことはきちんと物事を揺り動かして調子を確かめてあげることなのです。
目の前が暗くなっているかもしれない人の手を取って先へと誘ってあげるように。
僕は君の先導者のような役割を担います。
勇気付けるために奮い立たせる言葉をプレゼントしてくれるのです。
リスナーは早々に君の姿に自分を投影するでしょう。
ファンならば誰しもJQに慰めてもらいたいはずです。
道に迷ったときも
リスナーへ話しかけるJQ
Baby baby baby baby you're not lost you're found
In a in a in a in a minute you'll realize
出典: Look Up/作詞:Jeremy Quartus,Patrick Hartman 作曲:Jeremy Quartus,Patrick Hartman
「ベイビー、ねえ、ベイビー、ねえ、君は損なわれてはいない 君は発見される
ほんの1分で君は覚醒する」
JQの分身のような僕はまだまだ君を安心させようとします。
君は行方不明なんかじゃないよと教えてあげるのです。
人は誰しも人生の端々で道に迷い誰からも顧みられないような状況に陥ります。
すぐに穴から這い上がれるような人は羨ましいです。
多くの人が一度堕ちた穴に長いこと嵌まり込んでしまって明日の方角も分からなくなります。
抑うつ状態のようなものはうつ病の人だけがなるものではありません。
パワハラに凹んでしまったり、失恋などを経験すると人は誰しも抑うつ状態になります。
こうした心の風邪のようなものは一過性のものが殆どです。
しかし適切な処置を受けないでいると本当に心の病気に進行する人もいます。
心の風邪のようなものでもバカにしてはいけません。
こうしたときに声をかけてくれる友人は貴重でしょう。
「Look Up」では僕と君の関係は明示されません。
一見、恋人のようですが単なる友人のようでもあります。
それどころかJQはまだ見ぬあなたへ、つまりリスナーを君と呼んで語りかけている可能性もあるでしょう。
僕は君に語りかけます。
気付きさえすれば酷い状況から目が醒めるようになるのは簡単だし僅かな時間だと教えてくれるのです。
生きたい人生を好きに歩んで
色褪せてくmemory
振り返らずwe go
Celebrate today because
出典: Look Up/作詞:Jeremy Quartus,Patrick Hartman 作曲:Jeremy Quartus,Patrick Hartman