それからヒップホップには「ディスる」という特徴があります。「ディスる」とは相手を非難すること。
ここではディスる言葉が並んでいます。「トーシロ」(素人)、「目クソ鼻クソ耳クソ」これらの言葉で相手を攻撃するのです。
なぜこんなに相手を攻撃するのかというと、ヒップホップは元々男性が始めた音楽です。
ヒップホップの歌詞(ライム)は歌詞というよりも言葉に近いのです。自分の優位性、オスとしてのプライドをかけて言葉で言い合いをする。
つまり、言葉で勝ち負けを勝負するスタイルなので、どうしても相手を蹴落とす必要があるのですね。
ですから必要以上に相手を攻撃して、自分の優位性を示したいということ。
そして相手を攻撃することで言葉のやり取りが生まれますのでこれによって、ヒップホップのラッパー同士のやり取りが続くのです。
自分の曲の中で相手をディスって戦うのですね。
また、残念なことにこのディスりがエスカレートしてアメリカではラッパー同士で殺人事件も起こっています。
いくら、自分のプライドをかけてラップをしていても命まで奪う必要はあるのでしょうか。
数はともかく 心は少数派 俺たちだけに聴こえる 特殊な電波
よく見ときな 最後にはどちらの勝ちか アマノジャクたちの価値観
なにせ 行く手はエラク遠距離 足跡からも学ぶぜ謙虚に
あえて時には手も汚そう 愛なき時代のさなかにようこそ
出典: B-BOYイズム/作詞:佐々木 士郎 作曲:山本 仁
ここでも「最後にはどちらの勝ちか」と勝負を気にしていますね。
勝ち負けが決まらないと落ち着かない男達。
何度でも言うぞ 俺の名前は黄色い B-BOY ハンパなく ナンバーワン
手前ミソ売りつける商人 毎週末の金土の テレビドラマの中に後ろ姿
見つけられなかった仲間たちのため Kick the verse 歌詞 蹴っとばす
まるでストレスとばす ジェットバス
出典: B-BOYイズム/作詞:佐々木 士郎 作曲:山本 仁
ヒップホップの歌詞(ライム)は意味を表現するとともに、音として韻を踏む役割もあります。
ですから、意味があまりなくても、音として言葉をラップすることがあります。
「蹴っ飛ばす」「ストレス」「ジェットバス」この3つの単語の語尾は「す」です。これで韻を踏んでいるわけですね。
冬をしのげ そのたくましさ見習え はだしのゲン
傘もささずに歩く土砂降りの中を
見ろよこの晴れやかな顔 欲得 超えたヤセガマン
イエー そこにこそこだわるぜ
CauseI'mthe man 渋滞続く ハイウェイ 尻目に マイウェイ
行くぜこのまま寝ないで
出典: B-BOYイズム/作詞:佐々木 士郎 作曲:山本 仁
意味を考えてしまうと言葉が入ってこなくなってしまうかも知れませんが、単に言葉を音として聴くのもヒップホップの楽しみ方です。
俺がB-BOY
いかにも 俺が B-BOYのなかのB-BOY ただのB-BOY
自分が自分であることを誇る
ただ それだけ 命懸けで守る イビツに ひずむ俺イズムの
イビツこそ自らと気付く
奴らのカラー分かつ このプリズム 奴らに共通なこのリズム
出典: B-BOYイズム/作詞:佐々木 士郎 作曲:山本 仁
ここは自分で自分を誇るというド直球のヒップホップフレーズです。
自分で自分を自己肯定するお決まりのスタイルなんですね。
女性からしたら「なんでそこまで自己主張しないといけないの?」という世界です。
男は弱い生き物ですから、主張せずにはいられないということなんですね。
「B-BOYイズム」の歌詞の世界はいかがでしたでしょうか。
自己主張の激しい言葉でしたが、これがヒップホップです。
好きになれない人もいるでしょうが、ヒップホップといっても様々なスタイルがあります。
ですのでこの「B-BOYイズム」をきっかけに他のヒップホップも聴いてみてはいかがでしょうか。
怖いヒップホップだけでなく、優しいヒップホップもありますよ♪
「B-BOYイズム」のPVをチェック
映像でもチェック
映像でヒップホップを見ればより理解が深まります。
「ヒップホップなんて嫌い!」という方も一度はこのヒップホップの世界観を見直してみましょう。
軽やかで自由な空気を感じることが出来るかもしれません。何を歌ってもいいし、どんなバックトラックでもいいのです。
この自由さは他のジャンルにはない身軽さですね。バンド程お金がかからないのも魅力的。
マイクとターンテーブルとレコードがあればヒップホップが可能ですから。
まとめ
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RHYMESTERの歌詞は分かり易いのものが多いですから、ちょっと気になったらアルバムや他の曲も聴いてみるのもいいですよ。
日本のヒップホップも激的に進化していますので、RHYMESTERだけでなく他のグループもオススメです♪
これが日本語なの!?と感動するかもしれません。
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