この主人公の犬は飼い主とは良好な関係を築いていたようですね。

でも犬には疑問がありました。

Tell me Am I a pet or slave?

「私はペットでしょうか?奴隷でしょうか?」

この「犬」は社会に「飼いならされている」人を比喩しているのでしょう。

I'm a dog! Forget me not but お手して
I'm a dog! Forget me not but 尾っぽ振って
I'm a dog! Forget me not but お座りして
誰のために?誰のために?
Bow wow wow

出典: Dog 3/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

ここでI'm a dog!と川上洋平のシャウトがさく裂します。

「私は犬だ!」と痛烈な叫び。

誰のためにお手して、尾っぽ振って、お座りして・・・。

サラリーマンが会社に従順に仕事して、こびへつらっている姿が重なります。

Bow wow wowとは英語で犬の鳴き声です。ワンワンですね。

あなたに救われて始まったLife
あなたに全て捧げた but tonight
あなたという飼い主の手 I will bite
誰のために?誰のために?
Bow wow wow

出典: Dog 3/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

飼い主に救われ、尽くしてきたけれど

but tonight(今夜)

あなたという飼い主の手をI will bite (噛みつくだろう)

飼い主に噛みつく=現状に反発したい願望が表れています。

僕をどこかへ 僕をどこかへ
僕をどこかへ 連れてって
兎にも角にも 兎にも角にも
犬も角にも 連れてって

出典: Dog 3/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

現状から逃げ出したい気持ちがあふれています。

最後の犬も角にもはウサギを犬に変えた言葉遊びですね。

そして「犬」はついに

I don't believe it but I ran away
From my old master to be free
I'll never forget his love and 躾
I'm gonna be independent dog

出典: Dog 3/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

和訳

信じられませんが私は飼い主の所から逃げ出しました

自由になるために

あの人の愛情や躾は決して忘れません

私は独立した立派な犬になります

飢えた犬たちは棒恐れずと学んだから
社会に牙向けた
だからマニュアル通りにしか動けずに
文字通り「犬死に」した

出典: Dog 3/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

「飢えた犬は棒を恐れず」は飢えた犬は人間が持つ犬を追い払うための棒をも恐れずに食べ物にありつこうとすることから、

人間でも困窮すると危険なことや悪いことをおかしてしまうという意味のことわざ

マニュアルがないと行動できないのに、社会に反抗したところで先はわかりますよね・・・。

誰かに捨てられた幼き日
この世のすべてが怖かったんです
so tonight生まれて初めて問います
自問自答自問自答
Bow wow wow

出典: Dog 3/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

色んな解釈があると思いますが、誰かに捨てられた幼き日というのは初めて社会に出た日のことではないでしょうか。

親に頼れなくなる新社会人。

これから甘えられなくなるので少し怖いですよね。

そして生まれて初めて自問自答するとのことですが、ひょっとしたら主人公はこれまで親の敷いたレール上で生きてきて、自分で進路を考えることをしなかったのではないでしょうか。

社会に出て頭打ちして初めて自分自身のことを考えるようになった、そういう風に筆者は考えますがいかがでしょう?

僕はどこへと 僕はどこへと
僕はどこへと 向かってるの?
兎にも角にも 兎にも角にも
犬も角にも 向かっていこう

出典: Dog 3/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

飛び出したのはいいけれど、どうすればよいのかわからない様子が見て取れます。

でも「犬」はやはり・・・

首輪はずしてグルームして尾っぽ振って
猫がイタズラしてきてもお座りして
喉が掠れていてもがなっていく
己のため 己のため
Bow wow wow

出典: Dog 3/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

グルームとは身づくろいのことです。

結局犬にできることは身ぎれいにして、しっぽを振ってお利口にして吠えること・・・。

飼われていた時となんら変わりませんね、首輪がないだけで。

僕をどこかへ 僕をどこかへ
僕をどこかへ 連れてって
兎にも角にも 犬も角にも
散歩に今すぐ連れてって

出典: Dog 3/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平