幻の名曲『流れ星の正体』
音源化されていない?
約20年のキャリアがあるBUMP OF CHICKEN。
彼らの楽曲で、未だにリリースされていない未発表曲があることはご存知でしょうか。
タイトルは『流れ星の正体』という意味深なもの。
2019年4月11日にBUMP OF CHICKENのインスタグラムで、藤原基央さんがこの曲の弾き語りをしている動画が公開されました。
その翌日、4月12日にYouTubeでリリックビデオも公開されています。
今回はこのリリックビデオを中心にご紹介していきたいと思います。
歌詞についても解説していますので、どうか最後までご覧ください。
『流れ星の正体』は2年前に初公開された
3日間だけ期間限定で公開されていた曲
実は『流れ星の正体』は一度世に出ているのです。
2017年1月28日~1月30日の3日間だけ公式サイトで聴くことができました。
この時はまだデモ音源といった状態で、一番までしか公開されていません。
今回、改めて2番まで弾き語りしたものが公開されたのですが、そもそも『流れ星の正体』という曲の正体は一体なんなのでしょうか?
この曲が制作された当時、藤原さんが音楽雑誌『B-PASS』で連載していたコラムが終了したという背景があります。
「Fujiki」と名付けられたそのコラム…初めは「藤原インテリ日記」という名前でした。
読者からの質問に答えたり、藤原さんの近況やプライベートなど…
バンプファンにはお馴染みの猫ニコルなどキャラクターのイラストも。
忙しい時以外は手書きだったそれは、ファンにとって藤原さんを身近に感じることができる貴重な内容でした。
1999年から約17年間も連載されたコラムには藤原さんも思い入れが強かったようです。
コラムに寄せられた読者からの手紙は全部読んでいたのだそうですが、それが本当かどうかは証明できない…
そう思った藤原さんは「Fujiki」を楽しみに読んでくれていたファン、手紙を送ってくれたファンに対して曲をプレゼントすることにしたのです。
「Fujiki」最終回には『流れ星の正体』の歌詞が一番だけ載せられていました。
藤原さんが『流れ星の正体』で伝えたかったメッセージとは一体なんなのでしょうか?
弾き語り映像を紹介!
手書きの文字で綴られる歌詞が味わい深い
リリックビデオはシンプルに黒い背景に白い文字だけ。
歌詞を綴ったその白い文字は全て手書きです。
凝ったリリックビデオもある中で、どうしてこんなにもシンプルなのでしょうか。
それはきっと、藤原さんが歌詞の内容をできるだけ私達の心へ直接届けたかったから。
手書きの文字なのも、おそらくそれが理由なのでしょう。
曲の持つ温かみと相まって、聴いていると胸がいっぱいになってきますね。
動画のコメントには「夜に聴くと泣けてくる」というものもありました。
インスタグラムの方では藤原さんがスタジオでギターを弾き語りして歌っている姿が観れるので、ライブ気分を味わいたい方はこちらもぜひご覧ください。
それでは、次からは歌詞について詳しく解説していきたいと思います。
歌詞を解説!
ゴールなんて分からないけど…
誰かの胸の夜の空に 伝えたい気持ちが生まれたら
生まれた証の尾を引いて 伝えたい誰かの空へ向かう
いつも迷路 終わらないパレード 止まったら溺れる
ゴールなんてわからないままで いつまで どこまで
出典: 流れ星の正体/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
冒頭で実はすでに『流れ星の正体』が語られています。
『流れ星の正体』は「誰かに何かを伝えたい」という気持ちを形にしたもの。
ここでは藤原さんが歌っているので、「音楽」だと推測しました。
でも、広い意味で考えると小説、漫画、絵画、彫刻などいわゆる表現物(アートと呼ばれることも)も「流れ星」と言えます。
何を作り上げる時には必ず「産みの苦しみ」というものがつきまとう…
特に、音楽産業では常に生み出し続ける必要があります。(海外ではまた事情が違うのかもしれませんが)
長いキャリアであればあるほど、受け取り側(ファン)の期待に応えなければという気持ちも強いことでしょう。
それがプレッシャーに感じることもあるかもしれません。
それでも支えてくれる家族、スタッフ、ファンのために歩き続けなければいけない。
もしかして、自分の後ろをついてきてくれるファンの様子を「パレード」と表現したのかもしれませんね。
手紙について
時間と距離を飛び越えて 君のその手からここまで来た
紙に書かれた文字の言葉は 音を立てないで響く声
そうやって呼んでくれただろう 見上げればちゃんと聴こえたよ
僕の上にも届いたように 君の空まで届いてほしい
出典: 流れ星の正体/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央