情緒豊かな歌詞が面白い!

黄色いたんぽぽや絵の具など、小さな頃に感じたカラフルな色彩がイメージできる歌詞

「くだらない唄」はBUMP OF CHICKENがインディーズ時代にリリースした名曲です。

懐かしいメロディーと共にカラフルな色がビビットに伝わってくる曲。

「くだらない唄」といいますが、全くくだらない唄なんかじゃないんです。

例えば一生懸命想いを込めて日記を書いたとします。

でもなんとなく照れくさくて「くだらないことしか書いてない」なんて言ってしまうこともあるかと思います。

BUMP OF CHICKENもそのような気持ちでタイトルをつけたのではないでしょうか?

BUMP OF CHIKENは子供時代に感じたことを伝えるのが上手だと思います。

「くだらない唄」もそんな子供時代や青春時代のなんともいえない感情に溢れています。

聴いていると内側からたまらない感情がこみ上げる鳥肌ものの名曲

今回は、たくさんの想いが伝わってくる「くだらない唄」について詳しく見ていこうと思います。

美しい歌詞の意味を解説

作詞作曲はボーカルの藤原基央です。

子供心を忘れない素敵な歌詞が共感を呼ぶ藤原基央。

ピーターパンシンドロームとまではいきませんが、大人になりたくないという想いがあるのでは?と筆者は解釈しています。

「くだらない唄」も子供時代の心情を歌った曲。

さて、この曲の主人公(おそらく藤原基央自身)はどんな想いでこの曲を書いたのでしょうか?

子供時代の最高の思い出を詰め込む

得意の絵を描いてあげる 僕の右手と水彩絵の具で
丘の花は黄色にしよう そのほうが見つけやすいから

三日月が光る頃 この絵と同じ丘で待ってるよ
明日僕らは大人になるから ここで思い出をつくろう

出典: くだらない唄/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

ボーカル藤原基央の出身地は秋田県。

きっと自然豊かな場所で育ったのでしょう。

丘には美しすぎるたんぽぽがぎっしりと生えた素敵な景色。

「くだらない唄」は、ビルが立ち並び緑が見えない場所からは決して生まれない曲だと思います。

不思議なことに、歌詞を見ているのに絵画を見ているような気分に陥るのです。

丘の花を目立つ色にすることで見つけやすくするということは、現実と絵の中の世界が交差しているということ。

いや、この絵自体が現実のものではないと考えた方が自然かもしれません。

これからの未来図を描いてあげるから、そこでまた会おうと約束している。

素敵なストーリーですね。

すぐに大人になってしまう自分達。

時間が止められるはずもなく、どうしようもないさみしさを感じているのでしょう。

大人になる前に、残された子供時代を思い切り楽しもうと決意しているようです。

神様に精一杯の願いを込める

神様見渡す限りに きれいなタンポポを咲かせてくれ
僕らが大人になっても この丘を忘れぬように

出典: くだらない唄/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

とても美しい景色がイメージできるサビの部分の歌詞です。

子供時代のすさまじい叫びが聞こえてくるようです。

遊んでいるときが楽しければ楽しいほど、それが終わってそのときを忘れ去ってしまうことが怖くなるもの。

子供時代は最高!それは死ぬほどよく分かってる。

だからこそ、大人になってその気持ちを忘れてしまうことを怖れているのかもしれませんね。

子供の頃に感じていたことをBUMP OF CHICKENがそのまま表現してくれているように感じます。

最高の大人とは?

指切りをしよう 僕らにシワが増える前に
十年後の同じ日に またここで一緒に絵を描こう

今夜中にこの景色(おか)を 僕の右手と絵の具で閉じこめる
十年後の同じ日までに ネクタイで迷わぬように

出典: くだらない唄/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

10年後には自分が何をしているのか、考えたことがある人は多いでしょう。

でも10年後にまた一緒にいたいと思える人がいることはそうそうないことかもしれません。

この曲の主人公は子供。

10年後には大人になってしまっているけど、また同じように笑い合いたいという想いが伝わってきます。

ここで出てくる「ネクタイ」とは大人の象徴だと考えられます。

「くだらない唄」は絵の中に込めた感情を歌っているのです。

明日には大人になってしまうという怖れがあります。

大人になってしまう前に、子供の頃に感じた最高の感情を閉じ込めようということでしょう。

ここでは子供=最高、大人=イマイチという図が読み取れます。

神様への切なる願いを歌う

かみさま小さな2人に 今夜だけ魔法を唱えてくれ
僕らが大人になっても この丘を忘れぬように

出典: くだらない唄/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

2番のサビではさらにファンタジックな世界が広がります。

「この丘」とは子供の頃にタンポポの中で遊んだ思い出、つまり大きくいうと子供時代のことと解釈できます。

絶対に子供の頃の心を忘れたくないというたまらない想いが伝わってきます。