アパッショナート
2014年4月16日にリリースした水樹奈々の10thアルバム「SUPERNAL LIBERTY」。その中に収録されているのが、今回取り上げるこの曲「アパッショナート」です!
COUNT DOWN TVのオープニングテーマとして起用されました。
アニメ関係のタイアップ曲が多い水樹奈々ですが、今回の曲はアニメには起用されていません。
今となってはとても珍しいですね。
しかし、それで水樹奈々の魅力が薄められたわけではありません。
むしろ最大限に詰め込まれています。
何しろ、作詞作曲を水樹奈々本人が手掛けているのです!
水樹奈々の世界観が存分に込められた一曲と言えるでしょう。
ギャップのある曲調
テーマが「解放」となっているだけあって、歌詞のみならず曲調もとても激しいものとなっています。
そもそも「アパッショナート」という言葉の意味は、「情熱的」や「激しく」という曲想を表す標語です。
メロディが繰り出すその苛烈さは、水樹奈々の楽曲の中でも比較的鋭いものはないでしょうか。
抑揚のあるメロディには、それこそ天と地ほどの離れたギャップが込められています。
使われている楽曲も様々で、ギターは勿論のこと、アコーディオンやバイオリン、ウクレレの様な民族楽器まで取り入れています。
ジャンルの違う楽器をあえて使用することによって、また違った「味」が出ているのでしょう。
バラバラになると思いきや、むしろ渾然一体ともいえる今回の楽曲。
サビ部分の超高速演奏は鳥肌ものです!
MV
苛烈な歌詞に注目♪
神妙な出だし
僕らは出会うために此処へ生まれ落ちた
歴史(とき)を紡ぐ確かな歌に導かれ羽ばたくよ
出典: アパッショナート/作詞:水樹奈々 作曲:水樹奈々 編曲:藤間仁
早速現れる水樹奈々特有の当て字。歴史を「とき」と言っていることで深みが増していますね。
私達人類が生まれた理由、どこへと向かうのかを情熱的に歌っています。
楽曲の中で最も重みのある箇所です。
この部分だけで、この曲の壮大さが伝わってきますね。
「抑圧」された欲望
俯き急ぐ人々 何処へ向かうのか?
充たされぬ欲望に 幾度も希望を削り
重ねていく傷痕
奪われたものを探し求め
辿り着いた果てに見えるのは
理想という幻想なのか…?
出典: アパッショナート/作詞:水樹奈々 作曲:水樹奈々 編曲:藤間仁
解放の前段階となるこの部分。
ここでは、何を解放するのかを歌っています。
恐らく、解放するのは閉じ込められた「欲望」でしょう。歌詞にも「充たされぬ欲望」とあります。
この歌詞は少し風刺的ですね。
俯き急ぐ人々ということで、現代に生きる均一化された個性を映しているかのようです。
個性を「欲望」と言い換えるならば、それが抑えつけられていると言っているのでしょう。
そして、抑圧された欲望ではやりたいことも出来ないはずです。
この曲は自由を求めているのではないでしょうか。